選び方

ジンのミニボトル|50〜200mlがある17銘柄と、飲み比べセットの組み方

無地のラベルを貼った大きさ違いの小瓶を5本一列に並べ、手前に脚付きのテイスティンググラス2脚とメモ用紙、ジュニパーの枝と実を添えた図譜風のイメージ
AIで生成したイメージです
この記事の結論

図譜に収録した110銘柄のうち、公式サイトで容量を確認できるのは65銘柄です。そのうち200ml以下の小さい瓶を持つのは17銘柄で、いちばん多いのが200mlの9本、次が150mlの2本と50mlの2本でした。17銘柄はすべてフルボトルと併売されていて、ミニボトルだけの銘柄はありません。つまり小さい瓶で確かめた銘柄は、そのまま同じ中身を大きい瓶で買い直せます。度数の記載がある16本では45%以上が13本、うち47%が8本なので、並べて比べるときは割り材の割合を銘柄ごとに変えることになります。

ジンのミニボトルを探す理由は、だいたい2つに分かれます。700mlを1本空ける前に確かめたいか、何本か並べて違いを見たいかです。この記事では銘柄の一覧を並べる代わりに、小さい瓶が実際にどの容量で存在するのかを図譜の公式記載から数えたうえで、飲み比べを自分で組むときの並べ方と、比べるときに揃えておく条件を整理します。杜松では味の記録は杯を交わした銘柄にだけ残すことにしているので、「このセットはこういう味」という書き方はしません。渡せるのは比べ方のほうです。

ジンのミニボトルは何mlか|図譜で数えた17銘柄

無地のラベルを貼った背の高い大きな瓶の手前に、極小・小・中の3段階の小瓶を高さ順に並べ、目盛りのついた小さなガラスの計量カップを添えた図譜風のイメージ 同じ銘柄でも、瓶の大きさは複数あります。(AIで生成したイメージです)

杜松の図譜では、国産クラフトジン79銘柄・大手国産3銘柄・海外の定番28銘柄の計110銘柄について、公式サイトに書かれていることだけをデータ欄に載せています。容量の記載を確認できたのは65銘柄(国産クラフト56本・大手国産3本・海外6本)でした。この65銘柄が公式に挙げている容量を、そのまま数えるとこうなります(2026年9月時点)。

容量挙げている銘柄数
50ml2本
60ml1本
90ml1本
100ml1本
150ml2本
170ml1本
180ml1本
200ml9本
300ml2本
375ml1本
500ml前後21本
700ml以上43本

200ml以下を持つのは17銘柄です(1銘柄が170mlと200mlの両方を挙げているため、上の表の200ml以下の合計は18になります)。いちばん多いのは200mlの9本で、100ml以下は50mlが2本、60ml・90ml・100mlが1本ずつ。「ミニボトル」と呼ばれる帯の実態は、多くが200mlということになります。標準は700ml以上の43本と500ml前後の21本なので、小さい瓶は全体から見れば少数です。

もうひとつ、数えてはっきりしたことがあります。17銘柄はすべて、700ml前後か500mlのフルボトルと併売されています。図譜のなかに、小さい瓶だけで売られている銘柄はありません。小容量は独立した商品ではなく、同じ中身の小さい版ということです。ここは実際に選ぶときに効きます。小さい瓶で確かめて合うと分かれば、同じ銘柄を大きい瓶で買い直せるからです。

200ml以下を持つ17銘柄は次のとおりです。度数と容量は公式サイトの記載どおりに載せています。

銘柄産地度数公式に挙がっている容量
白兎-HAKUTO-鳥取県40.0%50ml / 700ml
白兎プレミアム鳥取県47.0%50ml / 700ml
JIN7 series鹿児島県47.0%60ml / 700ml
因伯人(Impact)鳥取県47.0%90ml / 700ml
東方ノ三賢人埼玉県45.0%100ml / 500ml
クラフトジン瀬戸内|檸檬広島県47.0%150ml / 700ml
橘花ジン奈良県記載なし150ml / 700ml
Mairingen Fresh Craft Gin京都府47.0%170ml / 200ml / 700ml
香立-KODACHI-和歌山県47.0%180ml / 700ml
AWA GIN徳島県45.0%200ml / 720ml
富士の神 開山山梨県45.0%200ml / 500ml
The Japanese Craft GIN 黄金井神奈川県43.0%200ml / 500ml
LAST ELEGANT東京都47.0%200ml / 700ml
南部美人クラフトジン岩手県40.0%200ml / 700ml
OSUZU GIN宮崎県45.0%200ml / 700ml
STANDARD CRAFT GIN静岡県45.0%200ml / 500ml
ROKU〈六〉大阪府47.0%200ml / 700ml

度数の記載がある16本のうち、45%以上が13本、そのうち47%が8本です。国産クラフトジン全体(度数の記載がある56本・中央値45.0%)と同じ並びで、小さい瓶だからといって度数が下がるわけではありません。この点は、あとで割り方を決めるときに戻ってきます。

200mlをやや超える帯にはWABIGIN(300ml/700ml)と清庵-SEIAN-(300ml)、STILLDAMジン スタンダード(375ml/700ml)があります。清庵-SEIAN-は300mlだけを公式に挙げていて、この17銘柄とは事情が違います。容量は全銘柄で同じ位置に載せているので、図譜の一覧から度数や産地と並べて確かめられます。

700mlは何杯ぶんか|飲みきりから容量を決める

容量を決めるいちばん確かな手がかりは、値段ではなく1本が何杯になるかです。一杯に使う量は飲み方で決まっていて、ジントニックやジンソーダなら30〜45ml、ロックなら30〜45ml、ストレートなら15〜30mlが目安です(ジントニックの作り方・ジンのロックとストレート)。これで割るだけで、瓶の大きさが時間に変換できます。

容量15mlずつ30mlずつ45mlずつ
50ml約3杯約1杯約1杯
100ml約6杯約3杯約2杯
200ml約13杯約6杯約4杯
500ml約33杯約16杯約11杯
700ml約46杯約23杯約15杯

700mlをジントニックにすると15〜23杯になります。週に1杯なら4か月から半年ぶんで、月に数回なら1年近く1本と付き合うことになります。ジンは開けたあとも度数が高いまま保たれる酒ですが、香りの成分は少しずつ動きます。開封後の置き方はジンの保存にまとめました。

この計算を先にしておくと、選び方が変わります。

  • その銘柄を気に入るか分からない — 200mlなら30mlで約6杯。合わなければ引き受けは軽く、合えばフルボトルに切り替えられます
  • 飲むのが月に数回 — 700mlは1年近く残ります。500mlや200mlのほうが、開けてから飲みきるまでの時間は短くなります
  • 何本か並べて比べたい — 1本を50ml以下しか使わないので、小さい瓶のほうが本数を増やせます
  • 決まった1本を日常的に使う — 700mlのほうが中身あたりの負担は下がります(ジンの「高級」は何で決まるのかに100mlあたりの計算を置いています)

お酒は20歳になってから。飲む量そのものは、比べる本数とは別の話です。少量ずつ、水を挟みながら進めてください。

飲み比べセットは自分で組める|近い系統か、離れた系統か

市販の飲み比べセットは、中身が決められているぶん手早く始められます。一方、小さい瓶を自分で組み合わせると、何を揃えて何を変えるかを自分で決められるという違いが出ます。比べるときに効くのはここです。

飲み比べで読み取れるのは、銘柄そのものの良し悪しではなく、2本のあいだの差です。だから、変える要素はひとつに絞るほうが差が見えます。図譜のデータ欄にある産地・度数・ボタニカルのうち、どれを固定してどれを動かすかを先に決めます。

近い系統で並べる|同じ方向のなかの違いを見る

公式が挙げているボタニカルの方向が近い銘柄を並べると、違いは細部に寄ります。たとえば柑橘を前に出している銘柄は、200ml以下の17銘柄のなかにも複数あります。

銘柄公式が挙げる主な素材度数小さい容量
白兎-HAKUTO-ゆずピール・オレンジピール・和山椒・玉露 ほか9種40.0%50ml
因伯人(Impact)レモン・柚子・八朔・橙 ほか13種47.0%90ml
クラフトジン瀬戸内|檸檬レモン・緑茶・ジュニパーベリー47.0%150ml
富士の神 開山オレンジピール・レモンピール・ジュニパーベリー45.0%200ml

同じ柑橘の方向でも、素材を3種に絞る設計と13種を重ねる設計が並びます。度数も40.0〜47.0%と幅があるので、割合を揃えないと度数の差を素材の差と取り違えます。素材そのものの成り立ちはジンの原料とボタニカルに整理しています。

離れた系統で並べる|設計の違いを見る

もうひとつは、公式が挙げる素材の数で両端を取る組み方です。図譜の国産クラフト63銘柄では素材の数の中央値が4種で、1〜2種に絞る銘柄と10種以上を重ねる銘柄が両端にそれぞれ固まっています(クラフトジンの選び方)。200ml以下の17銘柄のなかにも、両端が揃っています。

銘柄公式が挙げる素材の数度数小さい容量
JIN7 series1種(辺塚だいだい)47.0%60ml
南部美人クラフトジン2種(ジュニパーベリー・浄法寺漆)40.0%200ml
東方ノ三賢人3種(乳香・没薬・ジュニパーベリー)45.0%100ml
LAST ELEGANT10種(ハイビスカスティー・ピンクペッパー ほか)47.0%200ml
STANDARD CRAFT GIN11種(橙・ハバノリ・セージ ほか)45.0%200ml

素材を絞った設計と重ねた設計では、瓶のなかで何が輪郭を決めているかが違います。どちらが良いという軸ではないので、比べるというより、自分がどちらの組み立てを好むのかを確かめる並べ方になります。

産地で並べる|同じ土地の素材を辿る

産地から組む場合、小さい瓶を持つ17銘柄は15の都道府県にまたがっています。公式が挙げる素材にその土地のものが入っている銘柄もあります。AWA GIN(徳島県・すだち・木頭ゆず・阿波晩茶・山椒・山田錦)、香立-KODACHI-(和歌山県・スギ・ヒノキ・温州みかん皮)、Mairingen Fresh Craft Gin(京都府・石焙煎クマザサ・クロモジ)、The Japanese Craft GIN 黄金井(神奈川県・カボス・湘南ゴールド・杉・檜)のような並べ方です。素材から横断したいときは産地・ボタニカル・飲み方から探すで絞り込めます。

基準になる1本を1つ入れる

どの組み方でも、すでに飲んだことのある銘柄を1本混ぜておくと読みやすくなります。初めての銘柄だけを並べると、差は見えても、その差がどちら側の特徴なのかが決まりません。大手国産のROKU〈六〉(大阪府・47.0%)は200mlがあるので、この役を置きやすい1本です。

本数は3〜4本までにしておくと、1本ずつの印象が残ります。それ以上並べると、後半は前半との比較ではなく記憶との比較になります。

比べるときに揃える条件

同じ形の小さな脚付きグラスを3脚、横一列に等間隔で並べて同じ高さまで液体を注ぎ、右端に水のグラス、手前にメモ用紙と鉛筆を置いた図譜風のイメージ 変えるのは銘柄だけ。器・量・割り方・温度は揃えます。(AIで生成したイメージです)

飲み比べで差が読めなくなる原因は、たいてい銘柄以外の条件が揃っていないことにあります。揃えるのは次の5つです。

  1. 同じ器 — 形が違うと香りの上がり方が変わります。同じグラスを本数ぶん用意できないときは、1脚を使い回して、そのつど水ですすぎ、拭いてから次に移ります
  2. 同じ量 — 15ml程度の少量で足ります。メジャーカップか大さじ(1杯=15ml)で量ると、注ぐたびの差がなくなります
  3. 同じ割り方 — 素材の方向だけを見るならストレートで、日常の一杯に近い形で見るなら同じ割り材・同じ割合で。途中で割り方を変えると、前に戻れなくなります
  4. 同じ温度 — 瓶を同じ場所に同じ時間だけ置いてから始めます。冷蔵庫から出したての1本と常温の1本では、香りの立ち方が変わります
  5. 同じ順番の影響を避ける — 度数の低い銘柄から並べます。強い1本を先に置くと、後の銘柄が弱く感じられます

度数がばらつくときは、割合のほうで完成した一杯を揃えます。ジントニックの完成度数は「ジンの度数 ÷ 材料の合計の数」でおおよそ計算できるので、40%台前半なら1対3、45%以上なら1対4、48%以上なら1対5に寄せると、どの銘柄でも9〜11%あたりに収まります(ジントニックの作り方)。同じ「1対3」で通すと、40.0%の銘柄と47.0%の銘柄では仕上がりの強さが違ってしまい、素材の差を見ているつもりで度数の差を見ることになります。度数の分布そのものはジンの度数にまとめました。

記録の取り方は、点数をつけるより2本のあいだの位置で書くほうが後から使えます。「AよりBのほうが柑橘が前に出る」「Aは飲んだあとに残る時間が長い」のような書き方です。点数は自分のなかでも日によって動きますが、位置関係は残ります。杜松の図譜でも、味は杯を交わした銘柄にだけ記録することにしていて、飲んでいない銘柄には香りの描写を書いていません。

そして、水を1杯隣に置きます。比べるほど口のなかがそろわなくなるので、1本ごとに水を挟むと、後半まで同じ条件で進められます。ここは飲む量を増やすための話ではなく、少ない量で差を読むための手順です。飲み方そのものの整理はジンの飲み方にあります。

贈り物にミニボトルを選ぶとき

贈る相手の飲み方が分からないとき、小さい瓶は引き受けの軽さが利点になります。200mlなら30mlで約6杯、100mlなら約3杯なので、合わなかったときに残るものが小さくなります。そして17銘柄はすべてフルボトルと併売されているので、気に入ったときの次の1本が同じ中身で用意されています。

一方で、公式の記載から言える範囲では、注意しておく点もあります。

  • 選べる銘柄が限られる — 容量の記載がある65銘柄のうち、200ml以下を持つのは17銘柄です。相手の出身地や好みの素材から選ぼうとすると、小容量に絞った時点で候補はかなり減ります
  • 価格帯は下の帯に寄る — 小容量を持つ銘柄で公式に価格帯の記載があるのは10本で、すべて3,000円までの帯でした。金額を目安に贈り物を選ぶ場合、帯の数字は小さい瓶の値段である可能性があります(ジンの「高級」は何で決まるのか)
  • 箱の有無は公式に書かれていないことが多い — 図譜では公式サイトの記載だけを載せているため、包装の情報は持っていません。販売店で確認するほうが確実です
  • 度数はフルボトルと同じ — 小さい瓶でも中身は同じです。17銘柄のうち13本が45%以上なので、そのまま飲む相手か、割って飲む相手かで意味が変わります

お酒は20歳になってから。20歳未満の方への贈り物には選べません。

複数本を組み合わせて渡す場合は、なぜその組み合わせなのかを一言添えると、受け取る側の飲む順番が決まります。「同じ柑橘の方向で産地が違う3本」「素材を1つに絞った1本と、10種を重ねた1本」のように、この記事の組み方をそのまま言葉にすれば足ります。選ぶ軸そのものはクラフトジンの選び方に4つ並べています。

容量から銘柄を確かめる度数・容量・産地・ボタニカルを、全銘柄で同じ順に載せています。
図譜を見る →

よくある質問

ジンのミニボトルには、どんな容量がありますか?

図譜に収録した110銘柄のうち、公式サイトで容量を確認できる65銘柄を数えると、200ml以下を挙げているのは17銘柄でした。いちばん多いのが200mlの9本で、以下180ml・170ml・150ml・100ml・90ml・60ml・50mlが1〜2本ずつです。200mlをやや超える帯には300mlが2本、375mlが1本あります。標準は700ml以上の43本と500ml前後の21本なので、小さい瓶は全体から見れば少数派ということになります。

ミニボトルだけで売られている銘柄はありますか?

図譜のなかにはありませんでした。200ml以下を持つ17銘柄は、すべて700ml前後か500mlのフルボトルと併売されています。つまり小容量は独立した商品ではなく、同じ中身の小さい版です。小さい瓶で確かめてから、同じ銘柄を大きい瓶で買い直すという順序がとれます。

飲み比べセットは自分で組んでもいいですか?

組めます。市販のセットは中身が決まっているぶん手早く始められますが、小さい瓶を自分で組み合わせると、何を揃えて何を変えるかを自分で決められます。並べ方は主に3つで、公式が挙げる素材の方向が近い銘柄を並べる、素材の数で両端を取る、産地で揃える、のいずれかです。どの組み方でも、すでに飲んだことのある1本を混ぜておくと、差がどちら側の特徴なのかが決まりやすくなります。本数は3〜4本までにすると、1本ずつの印象が残ります。

飲み比べのとき、何を揃えればいいですか?

器・量・割り方・温度・順番の5つです。グラスの形が違うと香りの上がり方が変わり、量がばらつくと濃さが揃いません。量は15ml程度で足ります。度数が銘柄ごとに違うときは、割合のほうで完成した一杯を揃えます。ジントニックの完成度数は「ジンの度数 ÷ 材料の合計の数」でおおよそ計算できるので、40%台前半は1対3、45%以上は1対4、48%以上は1対5に寄せると、どの銘柄でも9〜11%あたりに収まります。順番は度数の低い銘柄からにして、1本ごとに水を挟みます。

200mlは何杯ぶんになりますか?

一杯に使う量で決まります。ジントニックやジンソーダ、ロックなら30〜45mlなので200mlで約4〜6杯、ストレートの15〜30mlなら約6〜13杯です。700mlなら30mlずつで約23杯、45mlずつで約15杯になります。月に数回の頻度だと700mlは1年近く残るので、飲む頻度から容量を決めると、開けてから飲みきるまでの時間が読めます。

小さい瓶は度数が低めですか?

低くはなっていません。200ml以下を持つ17銘柄のうち、公式に度数の記載がある16本では45%以上が13本、うち47%が8本でした。国産クラフトジン全体(度数の記載がある56本・中央値45.0%)と同じ並びです。中身はフルボトルと同じものなので、割って飲むときの割合も、フルボトルのときと同じ考え方で決めることになります。

杜
杜松 編集部国産クラフトジンを1本ずつ図譜にしています。事実は公式の出典から、味は飲んだ人の言葉から。

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