選び方

ジンの賞味期限は?未開封は期限なし|開封後の飲みきり目安と常温・冷凍庫での保存

薄暗い木の戸棚に無地ラベルの瓶が立てて並び、手前に杜松の実のついた枝と針葉を部位ごとに描いた図譜風のイメージ
AIで生成したイメージです
この記事の結論

ジンの瓶に賞味期限は書かれていないのが普通です。酒類は食品表示基準で期限表示を省略できる決まりで、つくり手も期限を設けていないことが多く、未開封・開封後とも期限が切れる日があるわけではありません。変わるのは開封後の香りで、注ぐたびに瓶の中の空気が増え、ボタニカルの香りは少しずつ弱まります。よく言われる「開封後は半年〜1年」は銘柄ごとの検証にもとづく数字ではないので、「あと何杯ぶん残っているか」から逆算するほうが確実です。700mlなら週1杯でも約3.5ヶ月で空きます。置き場所は直射日光と高温を避け、栓を上にして立てて。度数40%以上なら家庭用の冷凍室でも凍りません。

ジンの瓶には、賞味期限も消費期限も書かれていないのが普通です。制度の上で省略できることになっているためで、未開封なら期限が切れる日はなく、開封後も、ある日を境に飲めなくなるものではありません。変わるのは封を切ったあとの香りで、置き方と時間で少しずつ弱まっていきます。開封後いつまでに飲みきるかは、日数より残りの杯数で決めるのが実際的で、700mlの瓶なら週1杯で約3.5ヶ月、週3杯で約5週間で空きます。置き場所は常温の冷暗所で足ります。この記事では、期限表示が無い理由、未開封と開封後で何が変わるか、置き場所の決め方、飲みきりの目安の立て方、冷凍庫に入れてよいかを順にまとめます。ジンそのものの成り立ちはクラフトジンとはに、度数の分布はジンの度数にまとめています。

手元の瓶の状況ごとに、先に答えを並べておきます。理由と細かい扱いは、このあとの各節で順に説明します。

手元の状況答え
未開封期限が切れる日はありません。直射日光と高温を避け、栓を上にして立てて置けば足ります
未開封のまま何年も経った開ける前に、液面の高さ・栓まわりの滲み・コルクの状態を見ます
開封後、常温で置いている常温の冷暗所で構いません。冷蔵庫に入れる必要はありません
開封後の保存方法を決めたい常温・冷蔵庫・冷凍庫の使い分けと栓の閉め方を、下の「開封後の保存方法」にまとめました
開封後、いつまでに飲みきるか日数でなく残りの杯数で決めます。700mlは週1杯で約3.5ヶ月、週3杯で約5週間です
冷蔵庫・冷凍庫に入れたい入れて構いません。度数40%以上なら家庭用の冷凍室では凍りません
開けてから何年も経った少し注いで、栓・色・浮遊物・香りの順に確かめます

ジンに賞味期限はある?書かれていない理由

理由は制度にあります。酒類は、食品表示基準のうえで**「保存の方法」と「消費期限又は賞味期限」の表示を省略できる**ことになっています(食品表示基準第3条第3項。国税庁「食品表示法における酒類の表示のQ&A」問25)。省略できる、というのがこの規定の書きぶりで、表示してはいけないわけでも、期限が存在しないと決まっているわけでもありません。

一般の加工食品酒類
消費期限・賞味期限表示が必要省略できる
保存の方法表示が必要省略できる
表示した場合基準どおりに基準どおりに

つくり手の側も、同じ立場を取っています。クラフトジンを出している養命酒製造は、自社のジンについて「特に賞味期限は設けていません。直射日光の当たらない場所、高温を避けて保管してください」と案内しています(養命酒製造「クラフトジン」Q&A)。期限を切るのではなく、置き場所の条件を示すという書き方です。

ここで押さえておきたいのは、「期限が書かれていない」ことと「味が変わらない」ことは別だという点です。ジンの香りのもとになっているのは、ジュニパーをはじめとする植物から移ってきた精油です。揮発しやすい成分なので、瓶の中の空気と光と温度の影響を受けます。どんな植物が使われているかはジンの原料とボタニカルにまとめています。

未開封と開封後で、変わるのは何か

差は瓶の中に残っている空気の量です。未開封の瓶では、液面の上に残る空気はごくわずかで、その量は減りも増えもしません。栓を開けて注ぐと、減ったぶんだけ空気が入ります。次に注げばまた増える。この繰り返しで、香りの成分が移っていける空間が広がっていきます。

700mlの瓶で見ると、こうなります。

残量の目安中身瓶の中の空気
開けたて約700mlごくわずか
3分の2約470ml約230ml
半分約350ml約350ml
3分の1約230ml約470ml
5分の1約140ml約560ml

半分を切ったあたりから、中身より空気のほうが多くなります。開封からの日数が同じでも、残りが少ない瓶のほうが香りの抜けは進みます。「開封後◯ヶ月」という数え方より、残量で見たほうが実際に近いのはこのためです。

置いておけば良くなるのか、という点にも触れておきます。ウイスキーやスピリッツのような蒸溜酒は、ワインのように瓶の中で熟成するものではなく、瓶詰めの時点の状態で出荷されています(サントリーお客様センター)。寝かせて育てる対象ではないので、買ってきた瓶は早いうちに開けて構いません。

未開封のまま何年も置いた瓶は飲める?

未開封の瓶にも期限はありませんが、何年も置いていると、中身より先に栓と瓶の口まわりが変わっていきます。コルク栓は年月とアルコールの影響で縮んだり脆くなったりし、締まりが甘くなったところから中身が少しずつ揮発します。封を切っていないのに液面が下がっているのは、このためです。

棚の奥から出てきた瓶は、開ける前に次の3点を見ておくと判断がつきます。

  • 液面の高さ。 買ったときより目に見えて下がっていれば、栓の隙間から抜けています。香りの成分も一緒に抜けているので、開けたての香りは期待しすぎないほうがよい瓶です。
  • 栓まわりの滲みとべたつき。 キャップシールの下や口のまわりに乾いた跡や粘りがあれば、中身が少しずつ外に出ていた印です。
  • コルクの状態。 開けるときに崩れたり折れたりしやすいので、ゆっくり回しながら引き上げます。かけらが中に落ちたら、茶こしやコーヒーフィルターで濾して、洗って乾かした別の瓶に移します。

開けたら、このあとの「開けた瓶がまだ飲めるか、自分で確かめる手順」と同じ順で、少量を注いで確かめます。

瓶や箱に数字や日付が印字されていることもあります。「賞味期限」と書かれていない限り、期限の表示ではありません。つくり手が製造の管理に使う番号や、瓶詰めした時期であることが多く、読み方は銘柄ごとに違います。どういう意味か知りたいときは、つくり手の問い合わせ窓口で確かめられます。

置き場所|光・温度・立てるか寝かせるか

条件は4つです。

  • 直射日光を避ける。 窓辺や、日中に日が回り込む棚は外します。扉のある戸棚があればそこが確実です。
  • 高温と、温度の上下が大きい場所を避ける。 コンロや冷蔵庫の脇、暖房の吹き出し口の近く、夏の車内などが該当します。
  • 栓を上にして立てて置く。 ワインを寝かせるのはコルクを乾かさないためですが、度数の高い酒では逆で、中身が栓に触れ続けるほうが栓を傷めるとされています。漏れや匂い移りも起きにくくなります。
  • 匂いの強いものの近くに置かない。 洗剤や香りの強い食品の隣は外しておきます。

冷蔵庫に入れる必要はありません(同・サントリーお客様センター)。常温の冷暗所に立てておき、飲む直前に冷やす、という段取りで足ります。

日の差す窓辺の台に置いた瓶と、扉のある木の戸棚の中に立てて置いた瓶を並べた図譜風のイメージ 光の当たる場所と、扉の中。同じ部屋でも条件は変わります。(AIで生成したイメージです)

栓の種類でも扱いが少し変わります。コルク栓は、開け閉めを繰り返すうちに縮んだり欠けたりすることがあります。差し込んだときに手応えがなくなってきたら、締まりの良い別の瓶に移しておくほうが安心です。スクリューキャップは締めきれば密閉できるので、この点では手がかかりません。

開封後の保存方法|常温・冷蔵庫・冷凍庫の使い分けと栓の閉め方

開けた瓶をどこに置くかは、常備しておく場所と飲む前に冷やしておく場所を分けて考えると決めやすくなります。3つの置き場所を並べると、次のとおりです。

置き場所向いている使い方気をつけたいこと
常温の冷暗所(扉のある戸棚など)常備の基本。何本か並べて置く直射日光、コンロや家電の脇、夏場に室温が上がる場所を外す
冷蔵庫次に飲む1本を冷やしておくドアポケットは開け閉めのたびに揺れて温度も動く。匂いの強い食品の近くを外し、立てて入る棚に置く
冷凍庫冷えた口当たりで飲みたい1本度数40%未満は凍ることがある。香りは控えめになる(下の「冷凍庫・冷蔵庫に入れてよいか」へ)

冷蔵庫に入れたからといって、開封後に飲める期間が延びるという案内は、つくり手からは出ていません。サントリーも、ジンなどのスピリッツは必ずしも冷蔵庫に入れる必要はないとしています(サントリーお客様センター)。日持ちを左右するのは置き場所の温度より、瓶の中の空気の量と栓の締まりです。冷蔵庫に入れるかどうかは、飲むときの温度の好みで決めて構いません。

冷蔵庫や冷凍庫から出した瓶は、表面に水滴がつきます。続けて常温に戻すなら、ラベルや栓まわりを拭いてから戸棚に戻すと、ラベルの傷みを防げます。出し入れを繰り返すより、冷やす1本を決めてそこに置きっぱなしにするほうが扱いは楽です。

栓を閉めるときは、次の3つを習慣にしておくと、開けてからの変化をゆっくりにできます。

  1. 注いだらすぐ閉める。 グラスを用意している間も栓を開けたままにしない。開いている時間のぶんだけ香りは外へ出ていきます。
  2. 閉める前に瓶の口を拭く。 口のまわりに残った滴が乾くと、栓の締まりが甘くなったり、べたつきの元になったりします。乾いた布かペーパーでひと拭きしてから閉めます。
  3. 元の栓で、最後まで締める。 スクリューキャップは止まるところまで回し、コルク栓はまっすぐ奥まで押し込みます。注ぎ口(ポアラー)を付けたままにすると密閉できないので、続けて飲まない日は元の栓に戻します。

栓が欠けた、締まらなくなった、という場合は、このあとの「開封後の賞味期限は?」の節で触れている小さい瓶への移し替えが使えます。

開封後の賞味期限は?飲みきりの目安の立て方

まず前提として、つくり手は開封後の期限も設けていません。「開封後は半年」「1年以内に」といった数字が出回っていますが、銘柄ごとの検証にもとづくものではないため、そのまま当てはめても目安以上にはなりません。

杜松では、期間ではなく杯数から逆算するほうを勧めます。残量が香りの抜け方を決めているので、「あと何杯ぶんあるか」と「どの間隔で飲むか」を掛ければ、自分の場合の飲みきりまでが出ます。1杯あたりはジントニックで45ml、ロックで30mlが目安です。

容量45mlで何杯週1杯なら週3杯なら毎日1杯なら
700ml約15杯約3.5ヶ月約5週間約2週間
500ml約11杯約2.5ヶ月約4週間約11日
200ml約4杯約1ヶ月約10日約4日

表で見ると、700mlの瓶は週1杯のペースでも約3.5ヶ月で空きます。よく言われる「半年」を超えるのは、月に2杯ほど(700mlで約7.5ヶ月)より間があく飲み方のときです。そのペースなら、開けてからの月日より、先に小さい瓶を選ぶほうが効きます。

図譜に収録した110銘柄のうち、公式に容量を確認できたのは65銘柄で、700mlが40本、500mlが20本でした。200ml以下の小さい瓶を用意している銘柄も17本あります。ROKU〈六〉(大阪府)、OSUZU GIN(宮崎県)、南部美人クラフトジン(岩手県)のように、700mlと200mlの両方を出している蒸溜所は少なくありません。週に1杯ほどのペースなら、はじめから小さい瓶を選ぶという手もあります。飲み比べから入る場合の考え方は飲み比べセットの選び方にまとめました。

残りが3分の1を切ったら、小さい瓶に移し替える方法もあります。空気に触れる面は変わりませんが、中身の上に残る空気の量は減ります。移すときは、洗って完全に乾かした密閉できるガラス瓶を使い、漏斗で静かに注ぎます。

大きな瓶から漏斗で小さなガラス瓶へ中身を移している手元と、コルク栓とスクリューキャップを描いた図譜風のイメージ 残りが少なくなったら、小さい瓶に移すと空気の量を減らせます。(AIで生成したイメージです)

開けた瓶がまだ飲めるか、自分で確かめる手順

期限の日付がないぶん、判断は手元の瓶でするしかありません。しばらく置いていた瓶を開けるときは、次の順で見ていくと迷いません。どれも小さなグラスに少しだけ注げば足ります。

  1. 栓と瓶の口を見る。 コルクが縮んで隙間ができている、欠けたかけらが中に落ちている、口のまわりがべたついている、といった様子がないか。栓の締まりが甘かった瓶は、中身の減り方も香りの抜け方も早く進んでいます。
  2. 光にかざして色を見る。 無色透明のジンなら、黄ばみや曇りが出ていないか。樽で寝かせたものなど、もともと色のあるジンは、開けたときの色と比べます。冷えている瓶は白く濁ることがあるので、常温に戻してから見ます。
  3. 浮いているもの・沈んでいるものを見る。 グラスの底に澱がたまっている、細かいかけらが浮いている、という場合は、コルクのかけらなのか、それ以外なのかを確かめます。常温に戻しても消えない濁りや沈殿は、次の香りの確認で判断を重ねます。
  4. 常温で香りを確かめる。 グラスを鼻から少し離して、いつもの香りの方向が残っているかを見ます。ジュニパーや柑橘の香りが弱くなっているだけなら、変化の範囲です。カビのような匂い、湿った紙や段ボールのような匂い、酸っぱい匂いなど、開けたてには無かった匂いが前に出ているときは、その瓶は飲まずにおきます。
  5. 水を数滴落として、もう一度香りを見る。 度数の高いままだとアルコールの刺激で香りが隠れることがあります。少し加水すると、残っている香りが立ちやすくなります。ここで香りが戻ってくるなら、割りものや柑橘の皮で補う飲み方に寄せれば楽しめます(このあとの「香りが変わってきたと感じたときの飲み方」へ)。

小さなガラスの杯に少量注いだ液体を窓の光にかざしている手元と、栓を上にして立てた瓶、水差し、無地の紙札を描いた図譜風のイメージ 少しだけ注いで、光にかざして色と浮遊物を見る。(AIで生成したイメージです)

迷わないためには、開けた日に、瓶の肩へ日付を書いた小さな札やマスキングテープを貼っておくのが手軽です。何本か並べて飲んでいると、どれをいつ開けたかはすぐに分からなくなります。開けた日と残量が一目で見えていれば、上の表と突き合わせて、次にどの瓶から手を伸ばすかを決められます。

新しい図譜の便り国産クラフトジンを1本ずつ図譜にしています。新しく加わった銘柄を、月に数回お知らせします。
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冷凍庫・冷蔵庫に入れてよいか

凍るかどうかは、度数で決まります。エタノールと水の混合液が凍りはじめる温度は、濃度が上がるほど下がります。

アルコール分(容量%)凍りはじめる温度の目安
30%約 −15℃
40%約 −23℃
50%約 −32℃

(Engineering ToolBox「Ethanol Freeze Protected Water Solutions」の値より)

家庭用の冷凍室は −18℃前後に設定されているのが一般的です(冷食オンライン(日本冷凍食品協会))。表と突き合わせると、40%以上のジンは家庭用の冷凍室では凍らず、とろりと粘りのある状態になるところまで、ということになります。30%前後だと、凍りはじめる温度のほうが上に来るので事情が変わります。

図譜の側の数字も添えておきます。収録した110銘柄のうち公式に度数を確認できたのは71銘柄で、中央値は45.0%、40%以上が70本でした。40%を下回るのはSANABURI Prototype_01 山椒スピリッツ(秋田県・30.0%)の1本だけで、いちばん高いのは9148 #0210 Fukinotou Compound Gin(北海道・60.0%)です。手元の銘柄の度数はラベルに書かれているので、入れる前に確かめられます。

冷やすと、香りの出方も変わります。温度が下がるほど液面から立ちのぼる量は減るので、香りは控えめになり、口当たりは重くなります。ボタニカルの香りを追いたい日は常温に近い状態で、切れ味を出したい日は冷凍庫で、と使い分けるのが実際的です。温度と器の関係はジンのロックとストレートにまとめています。

冷やしたり水を加えたりしたときに、白く濁ることがあります。ボタニカルから移ってきた精油が、低温や加水で溶けきれなくなって現れるもので、冷却濾過をしていない銘柄で起こりやすいとされます。温度が戻れば澄むことが多く、香りの成分が残っている印と受け取られています。

常備の置き場所としては、常温の冷暗所を基本に、飲む予定の1本だけ冷蔵庫や冷凍庫に入れておく形が扱いやすいはずです。

香りが変わってきたと感じたときの飲み方

開けたてより香りの立ちが弱い、と感じることはあります。ボタニカルの構成そのものが入れ替わるわけではないので、立ち方の弱さを補う方向に飲み方を寄せると、まだ十分に楽しめます。

  • ストレートから割りものへ。 炭酸の泡は香りを上に運びます。ジンソーダなら割り材が味を足さないぶん、残っている香りがそのまま出ます。
  • トニックで輪郭を足す。 糖分と苦味が乗るので、輪郭がはっきりします。割合の決め方はジントニックの作り方に。
  • 柑橘の皮を添える。 皮をひねって香りをグラスの上で飛ばすと、酸味を足さずに立ち上がりだけを補えます。ライムを搾る方向に進めるとジンリッキーになります。
  • カクテルの素材として使う。 他の材料と組み合わせるジンのカクテルなら、香りの弱まりは目立ちにくくなります。

中身に濁りや沈殿が残ったままになっている、いつもと違う匂いがする、といったときは無理をせず、その一杯は諦めるのが確実です。

飲み方全体の見取り図はジンの飲み方に、料理と合わせる場合はジンに合う食べものにまとめています。銘柄ごとの度数・容量・公式が案内している飲み方は、図譜のデータ欄に全銘柄で同じ順に並べています。

よくある質問

ジンに賞味期限はありますか?

ラベルに書かれていないのが普通です。酒類は食品表示基準で「消費期限又は賞味期限」の表示を省略できることになっているためで(食品表示基準第3条第3項)、つくり手の側も期限を設けていないことが多くあります。ただし「期限が書かれていない」ことと「味が変わらない」ことは別で、開封後は瓶の中の空気が増えるにつれて香りは少しずつ弱まります。

ジンは腐りますか?消費期限はありますか?

ジンの瓶には、賞味期限と同じく消費期限も書かれていないのが普通です(酒類はどちらの表示も省略できます。食品表示基準第3条第3項)。未開封・開封後とも、日付を境に飲めなくなるものではなく、開封後に変わっていくのは主に香りです。ただし、長く置いた瓶で濁りや沈殿が残ったままになっている、いつもと違う匂いがする、といったときは、その一杯は諦めるのが確実です。確かめる順番は本文の「開けた瓶がまだ飲めるか、自分で確かめる手順」にまとめています。

開封後は常温で置いて大丈夫ですか?

大丈夫です。冷蔵庫に入れる必要はなく、直射日光と高温、温度の上下が大きい場所を避けた常温の冷暗所で足ります。栓をしっかり閉め、栓を上にして立てて置きます。冷やして飲みたい場合は、飲む予定の1本だけ冷蔵庫や冷凍庫に移せば十分です。

未開封で何年も前に買ったジンは、飲めますか?

未開封でも期限が切れる日はありません。ただ、何年も置くとコルクが縮んで、封を切っていなくても中身が少しずつ揮発することがあります。開ける前に液面が下がっていないか、栓のまわりに滲みやべたつきがないかを見て、開けたら少量を注いで色・浮遊物・香りを確かめてから飲みます。

開封後の賞味期限は、どれくらいですか?

決まった日数はありません。残量が香りの抜け方を決めているので、期間より「あと何杯ぶん残っているか」で見るほうが実際に近くなります。1杯45mlとすると700mlで約15杯、500mlで約11杯、200mlで約4杯です。週3杯なら700mlで約5週間。残りが3分の1を切ったら、小さい瓶に移すか、飲みきる時期を決めておくと確実です。

開けてから何年も経ったジンは、飲めますか?

期限の表示がないので、日付で線を引くことはできません。小さなグラスに少し注ぎ、栓の状態、光にかざした色、浮遊物や沈殿、常温での香りの順に確かめます。濁りや沈殿が残ったままになっている、いつもと違う匂いがする、といったときはその一杯は諦めるのが確実です。そうでなければ、香りの立ちは開けたてより弱まっていることが多いので、ソーダやトニックで割る、柑橘の皮を添えるなど、香りを補う飲み方に寄せると扱いやすくなります。

冷蔵庫や冷凍庫に入れてもよいですか?

入れて構いません。アルコール分40%のジンが凍りはじめるのは約−23℃で、家庭用の冷凍室(−18℃前後)では凍らず、とろりとした状態になります。図譜に収録した銘柄では、公式に度数を確認できた71本のうち70本が40%以上でした。ただし冷やすほど香りの立ちは控えめになるので、常備は常温の冷暗所に置き、飲む1本だけ冷やす形が扱いやすいはずです。

開封後は冷蔵庫に入れたほうが日持ちしますか?

冷蔵庫に入れて日持ちが延びるという案内は、つくり手からは出ていません。開封後の香りの変化を左右するのは、瓶の中の空気の量と栓の締まりです。常備は常温の冷暗所で足り、冷蔵庫は次に飲む1本を冷やしておく場所として使うと扱いやすくなります。入れる場合はドアポケットより、立てて入る棚の奥のほうが揺れも温度の上下も少なく済みます。

瓶は立てて置くべきですか、寝かせてもよいですか?

栓を上にして立てて置きます。ワインを寝かせるのはコルクを乾かさないためですが、度数の高い酒では逆で、中身が栓に触れ続けるほうが栓を傷めるとされています。漏れや匂い移りも避けられます。置き場所は、直射日光と高温、温度の上下が大きい場所を外し、扉のある戸棚などに収めておくと条件が揃います。

冷やしたら白く濁りました。どうすればよいですか?

ボタニカルから移ってきた精油が、低温や加水で溶けきれなくなって現れる現象です。冷却濾過をしていない銘柄で起こりやすく、温度が戻れば澄むことが多くあります。香りの成分が残っている印と受け取られているもので、味の方向が入れ替わるわけではありません。氷を入れたときやソーダで割ったときにも起こります。

杜
杜松 編集部国産クラフトジンを1本ずつ図譜にしています。事実は公式の出典から、味は飲んだ人の言葉から。

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