ジンソーダの割合(比率)|黄金比はジン1対ソーダ4、濃いめは1対3。目分量と作り方

ジン1:炭酸水4が黄金比と呼ばれる基準です(ジン30mlなら炭酸水120ml)。蒸溜所の公式サイトでも、比率を数字で示した7本のうち4本が1対4でした。香りを強めたいとき、45%以上のジンで食後に一杯飲むときは1対3(30mlなら90ml)。手元のジンの公式サイトに比率が書いてあれば、それに従うのがいちばん確かです。好みの濃さが決まっているなら「ジンの度数 ÷ 完成させたい度数 − 1」で炭酸水の倍数が出ます。量らずに作るなら、氷を詰めたまっすぐなグラスで、液面の高さの5分の1までジン、残りを炭酸水。炭酸は、冷やす・内壁を伝わせて注ぐ・縦に一回だけ混ぜる、の3つで守れます。
ジンソーダの割合(比率)は、ジン1に対して炭酸水4が基準です。「黄金比」として紹介されることの多い数字で、蒸溜所の公式サイトでもいちばん多く示されています。香りをもう少し強く感じたいときは1対3に寄せます。計量カップがなくても、グラスの高さで分ければおおよその比率で作れます。
| 割合 | ジン30mlのとき | 完成の度数(45%のジン) | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 1対4(基準) | 炭酸水120ml | 9.0% | 迷ったらまずこれ。食事と一緒に |
| 1対3(濃いめ) | 炭酸水90ml | 11.3% | 香りを立たせて一杯をゆっくり |
| 1対2(さらに濃く) | 炭酸水60ml | 15.0% | 食後に少量だけ |
| 1対5(軽め) | 炭酸水150ml | 7.5% | 度数を抑えて長く飲む |
- 量らないとき … 氷を詰めたまっすぐなグラスで、液面の高さの5分の1までジン、残りを炭酸水(1対4)
ジンを無糖の炭酸水で割っただけの一杯なので、トニックウォーターのように甘さと苦味が乗らず、薄ければ薄いまま、炭酸が抜けていれば抜けたまま、そのとおりに出ます。ここからは、比率の決め方と完成の度数、量らずに作る方法、用意するものと炭酸を抜かない手順、炭酸水の選び方、食事への合わせ方、ジンの炭酸割りの呼び名の違いを順にまとめます。ジンそのものの成り立ちはクラフトジンとはにまとめています。
ジンソーダの割合(比率)|黄金比はジン1対ソーダ4
まず1対4で作り、薄いと感じたら炭酸水を減らして1対3へ、強いと感じたら1対5まで増やします。
1対4が基準に置かれるのは、40〜47%の一般的なジンをこの比率で割ると、完成が8〜9%台に収まるからです。ジンの香りが届き、なおかつ食事のあいだにも飲み続けられる濃さで、下の表のとおり蒸溜所が公式に示す比率でもいちばん多い数字でした。ただしジンソーダは、割り材の炭酸水が甘さも苦味も足さないので、薄くしたぶんがそのまま水っぽさとして出ます。1対4から薄い方向へは伸ばしすぎず、物足りなければ濃い方向(1対3)へ動かすほうが収まりがよくなります。
完成の度数|ジンの度数から出す
炭酸水にアルコールは入っていないので、完成した一杯の度数は ジンの度数 ÷ 材料の合計の数 で出せます(氷が溶けるぶんは含みません)。1対3なら合計の数は4、1対4なら5です。
| ジンの度数 | 1対2 | 1対3 | 1対4 | 1対5 |
|---|---|---|---|---|
| 37.5% | 12.5% | 9.4% | 7.5% | 6.3% |
| 40% | 13.3% | 10.0% | 8.0% | 6.7% |
| 45% | 15.0% | 11.3% | 9.0% | 7.5% |
| 47% | 15.7% | 11.8% | 9.4% | 7.8% |
氷が溶けたぶんを含めると、飲み終わるころにはここからさらに1〜2ポイント下がります。国産クラフトジンは45%前後の銘柄が多く、そのまま1対2で割ると15%前後、ワインと同じくらいの強さの一杯になります。度数の分布や銘柄ごとの値はジンの度数にまとめています。
蒸溜所が公式に示している比率
ジンソーダの比率を調べると「黄金比は1対4」というレシピが多く見つかります。この数字は造り手の側でも裏付けられるのか。杜松の図譜に収録した110銘柄の公式サイトを見直すと、ソーダ割りの比率を数字(割合かml)で示していたのは、確認できたかぎりで7本でした(2026年9月時点)。
| 銘柄 | 度数 | 公式が示す比率 | 完成の度数(計算) |
|---|---|---|---|
| 雪の窓 ドライジン(北海道) | 45% | ジン45ml:炭酸水120ml(約1対2.7) | 12.3% |
| AWA GIN(徳島県) | 45% | ジン30ml:ソーダ90ml(1対3) | 11.3% |
| SANABURI 山椒スピリッツ(秋田県) | 30% | 1対3 | 7.5% |
| 翠 SUI(大阪府) | 40% | 1対4 | 8.0% |
| 夕凪GIN(香川県) | 40% | 1対4 | 8.0% |
| ROKU〈六〉(大阪府) | 47% | ジン30ml:ソーダ120ml(1対4) | 9.4% |
| LAST ELEGANT(東京都) | 47% | 1対4 | 9.4% |
7本のうち4本が1対4で、「黄金比1対4」は造り手の案内とも重なる数字です。ただ、比率は1対2.7から1対4まで開いていて、完成の度数にすると7.5%から12.3%まで幅があります。30%の山椒スピリッツは1対3で7.5%、40%の翠と夕凪GINは1対4で8.0%と、度数の低いものほど濃いめの比率で、1対4の銘柄はどれも8〜9%台に収まっています。AWA GINの比率はリッキーのレシピとして示されたものですが、公式はまずプレーンのソーダで試すよう添えているので、ここに含めました。雪の窓の分量は、炭酸水とトニックウォーターのどちらで割る場合にも共通のものです。
手元のジンの公式サイトに比率が書いてあれば、まずそれに従うのがいちばん確かです。書いていなければ、次の考え方で決めます。
1対3と1対4、どちらで作るか
始めるなら1対4です。そのうえで1対3に寄せるのは、45%以上のジンで香りをはっきり感じたいとき、氷が溶けやすい暑い時期に、飲み進めて薄まるぶんを先に見込んでおきたいときです。どちらが正しいというより、同じ割合でも使うジンの度数で仕上がりが変わるため、割合の数字だけでは決まりません。上の早見表のとおり、同じ1対4でも37.5%のジンなら7.5%、47%のジンなら9.4%と、2ポイント近く開きます。
割合ではなく完成が何%になるかを先に決めておくと、手持ちのジンが変わっても同じ濃さにたどり着けます。
| 完成の度数 | 向いている場面 | 45%のジンなら | 40%のジンなら |
|---|---|---|---|
| 7〜8% | 食事と一緒に長く飲む | 1対5 | 1対4 |
| 9〜10% | 食事の途中に挟む | 1対4 | 1対3 |
| 11〜12% | 一杯をゆっくり飲む | 1対3 | — |
| 13〜15% | 香りを立たせて短く飲む | 1対2 | 1対2 |
好みの濃さから比率を逆算する|缶のジンソーダと同じ濃さにしたいとき
市販の缶のジンソーダには、5%や7%といった度数のものがあります。いつも飲んでいる缶やハイボールと同じくらいの濃さで作りたいときは、比率を表から探すより、完成させたい度数から逆に計算するほうが早く決まります。
炭酸水の倍数 = ジンの度数 ÷ 完成させたい度数 − 1
45%のジンで9%にしたいなら、45 ÷ 9 − 1 = 4 で、1対4です。ジン30mlに対する炭酸水の量まで出しておくと、次のようになります(氷が溶けるぶんは含みません)。
| 完成させたい度数 | 40%のジン | 45%のジン |
|---|---|---|
| 5% | 1対7(炭酸水210ml) | 1対8(炭酸水240ml) |
| 7% | 約1対4.7(炭酸水約140ml) | 約1対5.4(炭酸水約165ml) |
| 9% | 約1対3.4(炭酸水約105ml) | 1対4(炭酸水120ml) |
| 12% | 約1対2.3(炭酸水70ml) | 約1対2.8(炭酸水約85ml) |
缶と同じ7%を家で作ろうとすると、45%のジンでは1対5を超えます。氷の溶け水も加わるので、実際には計算より少し濃いめ(1対4.5前後)から始めると、飲み進めたときに同じあたりへ寄っていきます。
5%前後の軽さを比率だけで出そうとすると1対7〜1対8になり、炭酸水の量に対してジンの香りが届かなくなります。一杯のアルコールの量を控えめにしたいなら、比率を伸ばすより、一杯を小さくするほうが香りは残ります。200mlのグラスでジン25ml・炭酸水75mlの1対3にすれば、比率はそのままで量だけ減らせます(下のグラス別の表)。
自分の比率を一度で決める|3つの比率を並べて飲む
数字で当たりを付けても、最後に決めるのは自分の舌です。何度も作り直すより、一度だけ小さなグラスを3つ並べて比べると、手元のジンでの比率がその場で決まります。
- 小さなグラスを3つ用意し、氷を詰めて、それぞれにジンを15mlずつ注ぐ(3つで合わせて45ml)
- 炭酸水を、1つめに30ml(1対2)、2つめに45ml(1対3)、3つめに60ml(1対4)注ぐ
- 薄いほうから順に一口ずつ飲み、「香りが届いている」と感じたいちばん薄いものを選ぶ
選んだ比率と、そのときのジンの銘柄・度数を書き留めておけば、次からはその一つで作れます。1対3と1対4のあいだで迷ったら、間をとって1対3.5(ジン30mlに炭酸水105ml)でも構いません。別の銘柄に替えたときは、度数が違えば同じ比率でも濃さが変わるので、もう一度並べ直します。
グラスの大きさから分量を決める
氷を口まで詰めると、グラスの容量の半分強が液体の入る余地になります。手元のグラスに合わせるときの目安です。
| グラスの容量 | 液体の入る余地(目安) | 1対4のとき(ジン/炭酸水) | 1対3のとき(ジン/炭酸水) |
|---|---|---|---|
| 200ml | 100〜120ml | 20ml/80ml | 25ml/75ml |
| 250ml | 125〜150ml | 30ml/120ml | 35ml/105ml |
| 300ml | 150〜180ml | 35ml/140ml | 45ml/135ml |
| 360ml | 180〜210ml | 40ml/160ml | 50ml/150ml |
300mlのタンブラーなら、ジン30mlに炭酸水120mlの1対4(合計150ml)が無理なく収まり、ジン35mlまで増やしても175mlで入ります。1対3にするならジン45mlに炭酸水135ml(合計180ml)がちょうどの量です。
炭酸水を500mlのボトルで買った場合、1本ぶんに合わせるジンは1対4で125ml、1対3で約167mlです。ただし一度に全部を割って作り置くと、飲むあいだに炭酸が抜けていきます。ボトルは1杯ずつ注いで、そのつど栓を閉めるほうが最後の1杯まで持ちます。
量らずに作るとき|グラスの高さで分ける
メジャーカップがなくても、比率はグラスの中の高さで分けられます。氷を口まで詰めたまっすぐなタンブラーなら、液体は氷の隙間に同じように入っていくので、高さの比がそのまま量の比になります。
- 1対4にしたいとき … 炭酸水まで注ぎ終えたときの液面を決めておき、その高さの5分の1までジンを注ぐ。残りを炭酸水で満たす(作り方の手順4で氷を足して液面が上がっても、炭酸水は最初に決めた高さまで)
- 1対3にしたいとき … 同じく、液面の高さの4分の1までジン
- 1対2にしたいとき … 液面の高さの3分の1までジン
口の広がったグラスや、胴のふくらんだグラスは、高さと容量が比例しません。下が細いグラスで高さの5分の1まで入れると、ジンは5分の1より少なくなり、薄めに仕上がります。そういうグラスでは目安より少し上まで、反対に下が太いグラスでは少し下までにします。
台所の道具で量るなら、大さじ1が15mlなので、ジン30mlは大さじ2、45mlは大さじ3です。小さじ1は5mlで、あと少しだけ濃さを足したいときの調整に使えます。一度だけ大さじで量って作り、そのときの液面の高さを覚えておくと、次からは同じグラスで目分量でも揃います。
ジンソーダの作り方|用意するものと5つの手順
材料はジンと炭酸水と氷の3つだけです。道具も、グラスのほかは量るものと混ぜるものがあれば足ります。
用意するもの
| 用意するもの | 役割 | 無いときの代わり |
|---|---|---|
| ジン | 香りの元になる | — |
| 無糖の炭酸水 | 割り材。甘さも苦味も足さない | 甘味料入り・フレーバー付きは別の飲みものになる |
| 氷 | 冷やして、溶け水を抑える | 代えが利かない。グラスの口まで詰められる量を用意する |
| 背の高いまっすぐなグラス(300ml前後) | 氷と液体が縦に重なり、炭酸が抜けにくい | 手持ちのコップ。容量に合わせて分量を決める(上のグラス別の表) |
| メジャーカップ | 比率を揃える | 大さじ(15ml)。ジン30mlは大さじ2 |
| バースプーン | 底から一回だけ持ち上げて混ぜる | 長めのマドラーや菜箸。底まで届けば足りる |
ジンソーダに要るものは、これで全部です。柑橘の皮は香りを足したいときだけ。(AIで生成したイメージです)
バースプーンが要るのは、混ぜる回数を一回で済ませるためです。短いスプーンだと底まで届かず、何度もかき回すことになって炭酸が抜けます。道具をこれから揃える場合の優先順位はカクテルの道具に、グラスの形と容量の選び方はジンのグラスの種類にまとめています。
氷の選び方
炭酸水で満たす飲み方なので、氷は家庭の製氷機や製氷皿のもので足ります。効くのは種類より量で、グラスの口まで隙間なく詰めることが、溶け水を抑えるいちばんの手です。小さな氷は一つひとつの表面が広く、詰める量が少ないとそのぶん早く溶けます。冷凍庫から出したての、表面が乾いた氷を使い、霜がとけて濡れているものは避けます。氷の大きさと溶け方の関係そのものはジンのロックとストレートにまとめています。
5つの手順
- グラスと材料を冷やす。 グラスは冷凍庫に5分ほど入れるか、氷と水を入れて回して水だけ捨てます。ジンも炭酸水も冷蔵庫でよく冷やしておきます。炭酸は液体が冷たいほど水に溶けたままでいるので、ここが抜けにくさの土台になります。
- 氷をグラスの口まで詰める。 隙間が残らないところまで入れます。氷が少ないと、そのぶん溶け水が増えて薄くなります。
- ジンを注ぎ、一度だけ混ぜて冷やす。 常温のジンをそのまま炭酸水に合わせると、温度差で泡が立ちます。先にジンだけを氷で冷やしておきます。
- 溶けたぶんの氷を足す。 3で氷が痩せているので、口までもう一度詰め直します。この一手間があるかどうかで、最後の一口までの持ちが変わります。
- 炭酸水を静かに注ぎ、縦に一回だけ混ぜる。 グラスを少し傾け、内壁を伝わせて注ぎます。混ぜるのはバースプーンを底まで下ろして、ゆっくり一回持ち上げるだけ。ジンは炭酸水より軽く、注いだあとは上のほうに残ります。底から一度持ち上げれば全体に行き渡ります。
氷は口まで詰め、炭酸水は静かに注ぎます。(AIで生成したイメージです)
かき混ぜる回数を減らすことが、この飲み方でいちばん効きます。炭酸は、撹拌された分だけ気体として抜けていきます。何度も往復させると、そのたびに氷も削れて溶け水が増えるので、薄まりと炭酸抜けが同時に進みます。
柑橘は入れても入れなくても成立します。入れる場合は、皮を指でひねって香りをグラスの上で飛ばし(ピール)、そのまま落とす方法が、酸味を足さずに香りだけを乗せられます。果汁を搾ると、記事の終わりで触れるジンリッキーの方向に寄っていきます。
うまくいかないときの直し方|比率か、温度か、混ぜ方か
飲んでみて「何か違う」と感じたとき、比率を動かせばよい場合と、比率はそのままで手順を直す場合があります。材料が2つしかない飲み方なので、感じたことからたどると原因はたいてい1つか2つに絞れます。
| 飲んで感じたこと | よくある原因 | 直すところ |
|---|---|---|
| 薄い・水っぽい | 氷が少ない/材料がぬるく氷が溶けた/1対5より薄い | まず氷を口まで詰め、材料を冷やす。それでも薄ければ比率を1対3へ |
| アルコールの角が立つ | 1対2前後の濃い比率/ジンが冷えていない | 1対3〜1対4へ伸ばし、手順3でジンを先に氷で冷やす |
| 炭酸がすぐ抜ける | 何度も混ぜた/氷に当てて注いだ/開けてから時間のたった炭酸水 | 縦に一回だけ混ぜ、内壁を伝わせて注ぐ。炭酸水は開けたてを使う |
| 香りが物足りない | 比率が薄い/ピールなど香りを乗せる工程がない | 比率を1対3〜1対2に寄せるか、柑橘の皮をひねって香りを足す |
| 一口目と最後で濃さが違う | 混ぜが足りずジンが上に残った | バースプーンを底まで下ろし、一回だけゆっくり持ち上げる |
薄いと感じたときに、いきなりジンを増やすのは最後の手段です。氷と温度が原因なら、比率を変えても溶け水で同じことが起きます。炭酸水は氷に直接ぶつけず内壁を伝わせるのが基本で、翠の公式も作り方のなかで「氷にあてないように」注ぐよう書いています。
ジンソーダとジントニックの違いは「糖分」
同じ炭酸で割る飲み方でも、割り材が変わると別の飲み物になります。違いは、割り材そのものに味があるかどうかです。
| 比べる点 | ジンソーダ | ジントニック |
|---|---|---|
| 割り材 | 炭酸水(水と炭酸だけ) | トニックウォーター |
| 割り材の糖分 | なし | あり |
| 割り材の苦味・香味 | なし | あり |
| 味を決めているもの | ジンと氷と炭酸 | ジンとトニックの組み合わせ |
トニックウォーターは、炭酸水に糖分と苦味、柑橘やハーブの香味を加えた清涼飲料です。つまりジントニックは「味のある割り材」で割る飲み方で、ジンソーダは「味のない割り材」で割る飲み方ということになります。
この差が、割合を厳しくしている理由です。ジントニックなら、少し薄くなってもトニックの甘さと苦味が輪郭を保ってくれます。ジンソーダにはその保険がなく、薄い=水っぽいに直結します。氷と温度と割合を、トニックのとき以上にきちんと合わせる必要があるのはそのためです。代わりに、ジンのボタニカルの香りは、間に何も挟まらずそのままグラスに出ます。割り材の側で味を作るジントニックの作り方とは、組み立てが逆になる飲み方です。
炭酸水の選び方
炭酸水は水と炭酸だけの飲みものですが、商品によって差が出るところが2つあります。
- 炭酸の強さ。 「強炭酸」と書かれた商品はガスの量が多く、注いだあとの持ちが違います。ジンソーダは炭酸そのものが味の一部なので、ここは選ぶ意味があります。
- 水そのもの。 国産の多くは軟水で、ミネラル分の少ない水です。輸入の炭酸水にはミネラル分の多い硬水のものがあり、口当たりに差が出ます。まず軟水の強炭酸を基準に決めて、そこから動かすと比べやすくなります。
容器では、ペットボトルより瓶や缶のほうが炭酸を保ちやすく、開封後の持ちも違います。ペットボトルを使う場合は、小さいサイズを1回で使い切るほうが、大きい1本を数回に分けるより炭酸の状態が揃います。
砂糖・甘味料・香料の入っていない、無糖のものを選びます。「炭酸水」と書かれていてもフレーバー付きの商品があるので、原材料の表示を見て水と二酸化炭素だけであることを確かめておくと間違いがありません。
どのジンで作るか|公式がソーダ割りを挙げている銘柄
杜松の図譜では、公式サイトに飲み方の案内があった銘柄について、その記載をそのままデータ欄に載せています。収録している110銘柄のうち、公式に飲み方の記載があったのは44銘柄。そのうち内訳は次のようになりました(2026年9月時点)。
| 公式が挙げていた飲み方 | 銘柄数(44銘柄中) |
|---|---|
| ジントニック | 31 |
| ソーダ割り(炭酸割りを含む) | 20 |
| ロック | 12 |
| ストレート | 7 |
ジントニックに次いで多いのがソーダ割りです。注目したいのは中身のほうで、ソーダ割りを挙げた20銘柄のうち12銘柄は、ジントニックを併記せずソーダ割りだけを挙げていました。COMMON(東京都)やOGIGIN 想 オリジナル(佐賀県)のように、公式が示す飲み方がソーダ割り1つだけ、という銘柄もあります。名前を付けている蒸溜所もあり、夕凪GIN(香川県)は「夕凪GINソーダ」、まさひろオキナワジン(沖縄県)は「オキナワソーダ」と呼んでいます。
度数の側も見ておきます。ソーダ割りを挙げた20銘柄のうち、公式に度数の記載があるのは19本で、中央値は45.0%、45%以上が14本でした。割合の章の表で言えば、1対3で11%前後に着地する帯です。残る1本と、飲み方の記載がなかった66銘柄は数から外しています。
なお、この数字は「公式がそう案内している」という事実の集計であって、相性の評価ではありません。杜松では、味や香りの描写は実際に杯を交わした銘柄(一献)にだけ書いています。銘柄ごとの度数・ボタニカル・公式の飲み方は図譜のデータ欄に、全銘柄で同じ順に並べています。
食事に合わせる|甘くないことが使いどころ
ジンソーダがジントニックと大きく違うのは、食事の途中で飲めることです。甘さが乗らないので料理の味に重ならず、炭酸と度数で口の中が切り替わります。ビールやハイボールが置かれている場所に、そのまま入る飲み方です。
どの料理に寄せるかは、そのジンのボタニカル欄から見当をつけられます。ジンは植物の香りを移した酒なので、何が入っているかで、料理と方向が揃う組み合わせも、対比になる組み合わせも変わります。使われている植物の全体像はジンの原料とボタニカルにまとめています。
| 料理の方向 | 合わせ方の考え方 | 構成が近いボタニカル |
|---|---|---|
| 刺身・白身魚・酢の物 | 料理側の柑橘と重ねる | 柚子・すだち・レモン |
| 揚げもの・天ぷら | 香りの立つ素材で切り替える | 山椒・生姜・クロモジ |
| 焼き鳥・炭火焼き | 針葉・木の香りの方向に寄せる | ジュニパー・檜 |
| 中華・スパイスを使う料理 | 香辛料の系統を揃える | コリアンダー・カルダモン・シナモン |
| チーズ・生ハム・塩気のある前菜 | 茶の系統で受ける | 緑茶・玉露 |
甘さを足さない割り方なので、食事の途中でそのまま飲めます。(AIで生成したイメージです)
食事に合わせるときは、基準の1対4から1対5あたりまで伸ばす作り方もあります。料理を主役にして、そのあいだを炭酸で通す、という組み立てです。反対に、食後に一杯だけ飲むなら1対2〜1対3で香りを立たせる。同じ材料のまま、割合だけで役割を変えられるのがジンソーダの扱いやすさです。
ボタニカルから銘柄を辿りたいときは、産地・ボタニカル・飲み方から探すに逆引きを置いています。
ジンの炭酸割りの呼び名|ジンリッキー・ジンフィズ・ジンバックとの違い
ジンを炭酸で割る飲み方には、名前の付いたものがいくつかあります。無糖の炭酸水で割っただけのものが「ジンソーダ」で、「ジンの炭酸割り」「ソーダ割り」と呼ばれているのも同じ一杯です。ここに果汁や砂糖を足したり、割り材を変えたりすると、別の名前になります。材料の差だけ押さえておくと、レシピを見たときに迷いません。
| 名前 | 材料 | ジンソーダとの差 |
|---|---|---|
| ジンソーダ | ジン+炭酸水 | — |
| ジンリッキー | ジン+炭酸水+ライム果汁 | ライムを搾り入れる。砂糖は使わない |
| ジンフィズ | ジン+レモン果汁+砂糖をシェイク+炭酸水 | 果汁と甘みが入り、炭酸水を注ぐ前にシェイカーで振る |
| トム・コリンズ | ジン+炭酸水+レモン果汁+砂糖 | 果汁と甘みの両方が入る。ジンフィズより炭酸水が多く、背の高いグラスで作る |
| ジンバック | ジン+ジンジャーエール+レモン果汁 | 割り材が生姜風味の炭酸飲料になる |
| ジントニック | ジン+トニックウォーター | 割り材に糖分と苦味がある |
ジンリッキーは、ジンソーダにライムを搾ったところから始まります。くし切りのライムを1/2個ぶんほど搾り入れ、そのまま落として、マドラーを添えて出すのが基本形です。飲みながら潰して酸味を足していける点が、最初から味の決まっているジントニックとの違いになります。ジンフィズとトム・コリンズは材料がほぼ同じで、主に分かれるのは炭酸水の量とグラスの大きさです。炭酸で割る一杯のほかの名前と分量は、ジンのカクテル一覧に並べています。
家で作るときは、まず何も入れないジンソーダを一口飲み、そこから柑橘を足すかどうかを決めると、そのジンの香りがどこにあるのか分かります。ジンソーダは、割り材が味を持たないぶん銘柄の違いがそのまま出る割り方です。飲み比べの土台としても使えます。
よくある質問
ジンソーダの割合は、結局どれくらいが良いですか?
ジン1に対して炭酸水4、いわゆる黄金比から始めてください。ジン30mlなら炭酸水120mlです。蒸溜所の公式サイトで比率が数字で示されていた7本でも、4本が1対4でした。香りが物足りなければ1対3(ジン30mlに炭酸水90ml)へ寄せます。ジンソーダは割り材が甘さも苦味も足さないため、1対5より薄くするとそのまま水っぽくなりやすく、動かすなら濃い方向が扱いやすいはずです。
1対3と1対4、どちらが正しいのですか?
迷ったら1対4から始めてください。どちらも使われている割合で、1対3に寄せるかどうかの決め手になるのは使うジンの度数です。蒸溜所の公式サイトで比率が数字で示されていた7本では、1対4が4本(翠・夕凪GIN・ROKU〈六〉・LAST ELEGANT)、1対3が2本、約1対2.7が1本でした。手元のジンの公式に比率があればそれに従うのが確かです。同じ1対4でも、37.5%のジンなら完成は7.5%、47%のジンなら9.4%と2ポイント近く開きます。割合の数字より「完成が何%になるか」を先に決めると、手持ちのジンが変わっても同じ濃さに揃います。45%前後の国産クラフトジンなら1対3で11%台、1対4で9%台です。
ジンソーダは何度くらいの飲みものになりますか?
45%のジンを1対3で割ると、計算上は11.3%です。1対4なら9.0%、1対2なら15.0%。氷が溶けたぶんを含めると、飲み終わるころにはここからさらに1〜2ポイント下がります。計算は「ジンの度数 ÷ 材料の合計の数」で出せるので、使う銘柄の度数が分かれば手元で確かめられます。度数の分布はジンの度数にまとめています。
炭酸がすぐ抜けてしまいます。どこを直せばよいですか?
順に3つあります。1つめは温度で、ジンも炭酸水もグラスもよく冷やしておくと、炭酸は液体に溶けたままでいます。2つめは注ぎ方で、グラスを傾けて内壁を伝わせると泡立ちが抑えられます。3つめは混ぜる回数で、縦に一回だけにします。この3つのなかでは、混ぜすぎがいちばん影響の大きい原因です。
トニックウォーターの代わりに炭酸水を使えば、ジントニックになりますか?
別の飲みものになります。トニックウォーターは炭酸水に糖分と苦味、柑橘やハーブの香味を加えた清涼飲料なので、置き換えると味を足す要素がなくなり、ジンの香りだけが残ります。それがジンソーダです。甘さを少し抑えたいだけなら、トニックの一部を炭酸水に置き換えて、そのあいだの位置を探す方法もあります。
ジンソーダとジンリッキーは何が違いますか?
ライム果汁が入るかどうかです。ジンリッキーはジンと炭酸水にライムを搾り入れ、砂糖を使わずに仕上げます。ジンソーダにライムを搾ったものがジンリッキーだと考えると分かりやすく、皮の香りだけを乗せる(ピール)にとどめればジンソーダの範囲に収まります。同じ炭酸割りでも、ジンジャーエールで割るとジンバック、レモン果汁と砂糖を加えるとトム・コリンズ、それをシェイクしてから炭酸水で満たすとジンフィズになります。
ジンソーダを作るのに、最低限そろえる道具は何ですか?
グラスと、量るものと、混ぜるものの3つです。グラスは300ml前後の背の高いまっすぐなものが扱いやすく、量るものはメジャーカップが無ければ大さじ(15ml)で代えられます。混ぜるものはグラスの底まで届く長さがあれば、バースプーンでなくマドラーや菜箸でも足ります。代えが利かないのは氷で、グラスの口まで詰められる量を用意してください。
缶のジンソーダと同じくらいの濃さで作るには、どの比率にすればよいですか?
「ジンの度数 ÷ 完成させたい度数 − 1」で炭酸水の倍数が出ます。45%のジンで7%にしたいなら、45 ÷ 7 − 1 で約5.4、つまり約1対5.4(ジン30mlに炭酸水約165ml)です。40%のジンなら約1対4.7になります。氷の溶け水でさらに薄まるので、計算より少し濃いめから始めてください。5%前後まで軽くしたい場合は、比率を伸ばすより一杯を小さくするほうが、ジンの香りが残ります。
グラスに対して、ジンと炭酸水はどれくらい入れればよいですか?
氷を口まで詰めると、グラスの容量の半分強が液体の入る余地になります。300mlのタンブラーなら150〜180mlほどで、ジン30mlに炭酸水120mlの1対4が無理なく収まります。1対4なら200mlのグラスでジン20mlに炭酸水80ml、360mlならジン40mlに炭酸水160mlが目安です。メジャーカップがなければ、大さじ1=15mlで代えられます。
計量カップがないとき、目分量で比率を合わせる方法はありますか?
氷を口まで詰めたまっすぐなグラスなら、高さで分けられます。炭酸水まで注ぎ終えたときの液面の高さを決め、その5分の1までジンを注いで残りを炭酸水で満たすと、おおよそ1対4です。1対3なら4分の1、1対2なら3分の1まで。下が細いグラスでは同じ高さでもジンが少なくなるので、目安より少し上まで注ぎます。大さじを使うなら、ジン30mlは大さじ2です。
どのジンを選べばジンソーダ向きですか?
杜松では、飲み方の相性は実際に杯を交わした銘柄にだけ書いています。目安として使えるのは、公式サイトが案内している飲み方です。図譜に収録した110銘柄のうち公式に飲み方の記載があった44銘柄では、ソーダ割りを挙げていたのが20銘柄、そのうち12銘柄はジントニックを併記せずソーダ割りだけを挙げていました。図譜のデータ欄に公式の記載をそのまま載せているので、買う前に確かめられます。