ジンのカクテル一覧|定番21杯のレシピと度数、甘さや強さから選ぶ早見表

ジンの定番カクテルは、ジントニック・ジンソーダ・ジンリッキー・ジンバック・ジンフィズ・ジンライム・ギムレット・マティーニ・ネグローニの9杯です。家で最初に作るなら、グラスと氷だけで済むジントニックかジンソーダ(ジン1に対して割り材3)から。9杯は、ジン以外に何を足すかで3つの層に分かれます。割り材だけのジントニック・ジンソーダ、そこに柑橘や甘みを足すジンリッキー・ジンバック・ジンフィズ、そしてベルモットやカンパリを合わせるマティーニ・ギムレット・ネグローニです。層が上がるほど買い足すものと道具が増え、完成した一杯の度数も10%前後から30%以上へ上がります。どれを作るかは、レシピの人気より先に手元のジンの度数で決めるほうが確実です。国産クラフトジンは公式に度数の記載がある56銘柄のうち44銘柄が45%以上なので、そのままショートカクテルにすると計算上30%を超えます。
ジンのカクテルでまず押さえておけばよいのは、ジントニック・ジンソーダ・ジンリッキー・ジンバック・ジンフィズ・ジンライム・ギムレット・マティーニ・ネグローニの9杯です。このうち6杯はシェイカーもミキシンググラスも使わず、グラスと氷だけで作れます。最初の一杯なら、ジン1に対してトニックウォーターか炭酸水3で割るジントニックかジンソーダが、買い足すものも少なく失敗しにくい組み立てです。
ただ、家にジンが1本あるとき知りたいのは種類の多さより、「今ある材料で何が作れて、次に何を買えば作れるものが増えるか」のほうです。この記事では、9杯の分量・道具・完成したときの度数を一枚の表に並べたうえで、ジン以外に何を足すかで3つの層に分けて見ていきます。後半には名前をよく見るもう12杯、度数・甘み・苦み・材料の数といった目的から選ぶ早見表、手持ちの銘柄の度数から作るものを決める順番、そして国産クラフトジンの作り手が公式に勧めている飲み方の集計をまとめました。ジンそのものの成り立ちはクラフトジンとはにあります。
ジンのカクテル一覧|材料・道具・度数の早見表
まず全体の見取り図です。分量は1杯ぶんの目安で、度数の欄は45%のジンを使ったときの計算値です(国産クラフトジンに最も多い度数帯です)。氷が溶けるぶんは含まず、カッコ内だけシェイクやステアで加わる水を入れています。名前にリンクがあるものは、手順と分量の決め方を個別の記事にまとめています。
| カクテル | 1杯ぶんの分量 | 道具 | 完成の度数(目安) |
|---|---|---|---|
| ジントニック | ジン45ml、トニックウォーター135〜180ml、ライム | グラスだけ | 約9〜11% |
| ジンソーダ | ジン45ml、炭酸水135ml | グラスだけ | 約11% |
| ジンリッキー | ジン45ml、ライム1/2個(果汁15ml)、炭酸水120ml前後 | グラスだけ | 約11〜13% |
| ジンバック | ジン45ml、レモン果汁20ml、ジンジャーエール115ml | グラスだけ | 約11% |
| ジンフィズ | ジン45ml、レモン果汁20ml、シュガーシロップ10ml、炭酸水85ml | シェイカー | 約13%(振ると約11%) |
| ジンライム | ジン45ml、ライム果汁15ml | グラスだけ | 約34% |
| ギムレット | ジン45ml、ライム果汁15ml、シュガーシロップ5ml | シェイカー | 約31%(振ると約25%) |
| マティーニ | ジン50ml、ドライベルモット10ml、オリーブ | ミキシンググラス | 約41%(混ぜると約31〜34%) |
| ネグローニ | ジン・カンパリ・スイートベルモット各30ml | グラスだけ | 約29%(混ぜると約23%) |
度数は「材料のアルコール量の合計 ÷ 液量の合計」で出しています。リキュール類はカンパリを25%、ドライベルモットを18%、スイートベルモットを16%として計算した目安なので、手元の瓶の表示が違えばそちらで置き換えてください。ジンの度数そのものの分布はジンの度数にまとめています。
この表で目につくのは、上5つと下4つで度数がひと桁違うことです。炭酸の割り材で満たすものはビールと同じか少し上の10%台、ジンが液量の大半を占めるものはワインの倍を超える30%前後になります。同じ「ジンのカクテル」という言葉でくくられていても、飲む速さも一杯にかかる時間も別の飲み物だと考えたほうが扱いやすくなります。
割り材だけで作れる3杯|ジントニック・ジンソーダ・ジンリッキー
買い足すものが1〜2品で済み、道具はグラスとスプーンだけで足りる層です。
- ジントニック — ジン1に対してトニックウォーター3〜4。氷をグラスの口まで詰め、トニックは氷に当てず内壁を伝わせて注ぎ、底から一回だけ混ぜます。手順と割合の決め方はジントニックの作り方にまとめています。
- ジンソーダ — ジン1に対して炭酸水3。糖分も苦味も足さないぶん、薄いとそのまま水っぽくなります。詳しくはジンソーダの作り方にあります。
- ジンリッキー — ジンソーダにライムを1/2個ぶん搾って落とし、マドラーを添えたものです。砂糖を使わないので、飲みながらライムを潰して酸味を足していけます。搾り方と分量はジンリッキーの作り方にあります。
この3つは、同じ炭酸の割り材でも役割が違います。トニックウォーターは糖分と苦味という味を持つ割り材、炭酸水は味を持たない割り材、ライムは後から量を決められる要素です。割り材ごとの比率と考え方はジンの割り方に整理してあります。
作り方の共通点は3つだけです。氷はグラスの口まで詰める、割り材は氷に当てず縁から注ぐ、混ぜるのは底から一回転まで。これを外すと、割合をどれだけ正確に量っても薄くなります。
材料をもう一つ足す3杯|ジンバック・ジンフィズ・ジンライム
炭酸水以外の割り材や、果汁・砂糖が入る層です。
- ジンバック — ジン45mlにレモン果汁20mlを入れ、ジンジャーエールで満たします。割り材が生姜の風味を持つ炭酸飲料になるので、ジンソーダとは別の方向になります。生姜をボタニカルに使う銘柄と素材が重なる組み合わせです。ジンジャーエールの辛口・甘口の選び方はジンバックの作り方にまとめています。
- ジンフィズ — ジン45ml、レモン果汁20ml、シュガーシロップ10mlをシェイクし、氷を入れたグラスに注いで炭酸水で満たします。果汁と甘みが入るので、混ざりにくいものを一度に混ぜるためにシェイカーを使います。砂糖の溶かし方とシェイカーなしで作る方法はジンフィズの作り方にあります。
- ジンライム — ジン45mlにライム果汁15ml。氷を入れたグラスで作れますが、割り材が入らないので度数は30%を超えます。ロックグラスで少しずつ飲む組み立てです。
ジンフィズと似た名前でトム・コリンズがあります。材料はほぼ同じで、炭酸水の量が多く、背の高いグラスで作るのが一般的な違いです。名前の付いたレシピは細部で分かれていくので、「炭酸で満たすか/満たさないか」「甘みを足すか/足さないか」の2つで見ると、初めて見るレシピでもどんな一杯か見当がつきます。
ジンが主役になる3杯|マティーニ・ギムレット・ネグローニ
割り材で薄めず、ジンと同じ酒類を合わせる層です。買い足すものが増え、完成の度数も30%前後になります。
- マティーニ — ジン50mlとドライベルモット10ml(5対1)を氷と一緒にミキシンググラスで混ぜ、冷やしたグラスに注いでオリーブを添えます。ベルモットの比率を下げるほど度数が上がります。作り方と比率の考え方はマティーニの作り方にまとめています。
- ギムレット — ジン45mlとライム果汁15ml、シュガーシロップ5mlをシェイクします。材料はジンライムとほぼ同じで、氷と一緒に振って冷やしながら水を加える点が違います。
- ネグローニ — ジン・カンパリ・スイートベルモットを30mlずつ。氷を入れたロックグラスで直接混ぜ、オレンジを添えます。3つとも味を持つ材料なので、ジンの比率を上げても下げても成立します。苦さと甘さの動かし方はネグローニの作り方にまとめています。
この層では、氷が溶けて加わる水が味の一部になります。シェイクで2〜3割、ステア(混ぜる)で2割前後の水が入る前提でレシピが組まれているので、冷えていない材料を使ったり、氷を少なくしたりすると計算どおりの一杯になりません。表の度数がその水を含まない数字なのはこのためです。
マティーニとギムレットは、ウォッカで作られることもあります。同じ手順でもベースが変わると仕上がりが変わる理由は、ジンとウォッカの違いにまとめています。
名前をよく見るもう7杯|9杯のどれかの変わり形
カクテルの一覧を見ていると、ほかにも多くの名前が出てきます。そのほとんどは、上の9杯のどれかの材料を1つ入れ替えたものです。よく名前を見る7杯を、近い一杯と並べました(分量は目安、度数は45%のジンで計算)。
| カクテル | 1杯ぶんの分量 | 型 | 近い一杯と違うところ | 完成の度数(目安) |
|---|---|---|---|---|
| トム・コリンズ | ジン45ml、レモン果汁20ml、シュガーシロップ15ml、炭酸水90ml | ビルド | ジンフィズを振らずに、炭酸を多めにして背の高いグラスで | 約12% |
| ギブソン | ジン50ml、ドライベルモット10ml、パールオニオン | ステア | マティーニのオリーブを小玉ねぎの酢漬けに替える | 約41%(混ぜると約31〜34%) |
| フレンチ75 | ジン30ml、レモン果汁15ml、シュガーシロップ10ml、スパークリングワイン60ml | シェイク | ジンフィズの炭酸水をスパークリングワインに替える | 約18% |
| ホワイト・レディ | ジン30ml、ホワイトキュラソー15ml、レモン果汁15ml | シェイク | ギムレットのライムをレモンに、甘みをオレンジのリキュールに替える | 約33%(振ると約26%) |
| オレンジ・ブロッサム | ジン40ml、オレンジジュース20ml | シェイク | ジンライムのライムをオレンジジュースに替える | 約30%(振ると約24%) |
| ブロンクス | ジン30ml、ドライベルモット10ml、スイートベルモット10ml、オレンジジュース10ml | シェイク | マティーニのベルモットを2種にし、オレンジジュースを足す | 約28%(振ると約23%) |
| ビーズ・ニーズ | ジン45ml、レモン果汁15ml、はちみつ(同量の湯で溶いたもの)15ml | シェイク | ギムレットの砂糖をはちみつに、ライムをレモンに替える | 約27%(振ると約22%) |
スパークリングワインは12%、ホワイトキュラソーは40%として計算しています。どちらも商品によって度数が違うので、手元の瓶の表示で置き換えてください。
こうして並べると、覚えることは多くありません。炭酸で満たすか、甘みを何で足すか、柑橘をどれにするかの3つを入れ替えているだけです。どれも、9杯の材料に1〜2品買い足せば作れます。一方で、ショートのものは小さなグラスでも一杯に含まれるアルコールの量はジントニック1杯とほぼ同じか、それより多くなります。一度に何杯も作らず、一杯ずつ時間をかけて飲む前提の飲み物です。
バーのメニューで見るもう5杯|リキュールやジュースが増える組み合わせ
ジンのカクテルを調べると、シンガポール・スリングやブルームーンの名前もよく出てきます。こちらは9杯の変わり形というより、リキュールやジュースを何種類も合わせて組み立てる一杯です。家で作るには買い足すものが多くなりますが、どんな材料でできているかを知っておくと、店で頼むときの見当がつきます(分量は国際バーテンダー協会〈IBA〉の公式レシピ、IBAに載っていないブルームーンとアラスカは国内で一般的な分量。度数は45%のジンで計算)。
| カクテル | 1杯ぶんの分量 | 型 | どんな組み立てか | 完成の度数(目安) |
|---|---|---|---|---|
| シンガポール・スリング | ジン30ml、チェリーリキュール15ml、ホワイトキュラソー7.5ml、ベネディクティン7.5ml、グレナデンシロップ10ml、パイナップルジュース120ml、ライム果汁15ml、アンゴスチュラ・ビターズ1振り | シェイク | ジュースが液量の6割を占める、背の高いグラスの一杯 | 約11%(振ると約9%) |
| ロングアイランド・アイスティー | ジン・ウォッカ・ラム・テキーラ・ホワイトキュラソー各15ml、レモン果汁25ml、シュガーシロップ30ml、コーラ少量 | ビルド | 紅茶は使わず、5種類の酒とコーラで紅茶のような色に仕上げる | 約18%(コーラ40mlで計算) |
| ブルームーン | ジン30ml、バイオレットリキュール15ml、レモン果汁15ml | シェイク | スミレのリキュールで薄い紫色にした、ホワイト・レディの仲間 | 約29%(振ると約24%) |
| アビエイション | ジン45ml、マラスキーノ15ml、レモン果汁15ml、バイオレットリキュール5ml | シェイク | さくらんぼのリキュールとスミレのリキュールを少しずつ | 約33%(振ると約27%) |
| アラスカ | ジン45ml、シャルトリューズ(黄)15ml | ステア | ハーブのリキュールだけを合わせる、マティーニに近い一杯 | 約44%(混ぜると約36%) |
チェリーリキュールは24%、ベネディクティン・シャルトリューズ(黄)・ジン以外の蒸溜酒は40%、バイオレットリキュールは25%、マラスキーノは32%として計算しています。どれも銘柄によって度数が違うので、手元の瓶の表示で置き換えてください。
ロングアイランド・アイスティーは、名前と色からは想像しにくいほど酒の量が多い一杯です。蒸溜酒だけで75mlを使うので、一杯に含まれるアルコールの量は45mlで作るジンソーダの1.5倍ほどになります。シンガポール・スリングはその逆で、ジンは30mlだけ、残りの大半はパイナップルジュースです。名前の印象と度数が一致しないことが多いので、初めて頼む一杯は表の度数の欄で確かめておくと安心です。
目的から選ぶ|度数・甘み・苦み・材料の数
ここまでの21杯を、作る前に気になる点ごとに並べ直しました。味の方向は材料に何が入っているかで分けています。同じカクテルでも、使うジンや割り材の銘柄で出来上がりは変わります。
左から、割り材で満たすタンブラー、氷を入れて直接混ぜるロックグラス、ステアやシェイクで仕上げるカクテルグラス、スパークリングワインで満たすフルートグラス。(AIで生成したイメージです)
| こうしたい | 当てはまるカクテル | 材料から見た理由 |
|---|---|---|
| 度数を10%前後に抑えたい | ジントニック、ジンソーダ、ジンリッキー、ジンバック、トム・コリンズ、シンガポール・スリング | 割り材やジュースが液量の大半を占める |
| 甘みのあるものがいい | ジントニック、ジンフィズ、トム・コリンズ、シンガポール・スリング、ブルームーン、オレンジ・ブロッサム | 砂糖、リキュール、ジュース、トニックウォーターの糖分が入る |
| 甘みを入れたくない | ジンソーダ、ジンリッキー、ジンライム、マティーニ、ギブソン | 砂糖も甘い割り材も使わない |
| 苦みのあるものがいい | ネグローニ、ジントニック | カンパリの苦み、トニックウォーターに使われるキナの苦み |
| 酸味が前に出るものがいい | ジンリッキー、ジンライム、ギムレット、ホワイト・レディ、ビーズ・ニーズ | 柑橘の果汁が液量の2割前後を占める |
| 材料2つで作りたい | ジンソーダ、ジントニック、ジンライム、オレンジ・ブロッサム、アラスカ | ジンともう1品だけで成り立つ(ライムを添えるものを含む) |
たとえば「甘みのあるもので、強くないもの」なら、上の2行に共通するジントニック・トム・コリンズ・シンガポール・スリングが候補になります。食事と一緒に飲むなら甘みを入れない側から、食後に一杯だけなら甘みのある側から選ぶ、という分け方もできます。合わせる料理の考え方はジンのおつまみに、オレンジジュースやコーラなど家にある割り材で作る分量はジンの割り方にまとめています。
手持ちのジンでどれを作るか|度数とボタニカルから決める
ここが、レシピ一覧を見るだけでは決まらない部分です。同じレシピでも、使うジンによって出来上がりが変わります。
ジンに使われる素材と、合わせる柑橘。どちらの方向に寄せるかで作るカクテルが変わります。(AIで生成したイメージです)
度数で決める
判断はごく単純で、度数が高い銘柄ほど、割り材の多いカクテルに向くという関係です。ジンの比率が高いショートカクテルは、完成の度数がほぼジンの度数に引きずられるためです。
| 手持ちのジンの度数 | 向きやすいもの | ショートで作るとき |
|---|---|---|
| 40〜43% | ジンライム、ギムレット、マティーニ | 表の度数どおり。比率はレシピのまま |
| 44〜47% | ジントニック(1対4)、ジンバック、ネグローニ | ベルモットや果汁を少し増やす |
| 48%以上 | ジントニック(1対5)、ジンソーダ、ジンリッキー | ジンを30mlに下げる |
ここが国産クラフトジンでは効いてきます。この図譜に収録している銘柄のうち、公式サイトに度数の記載がある国産クラフト56銘柄では、45%以上が44銘柄(うち50%以上が4銘柄)、45%未満が12銘柄でした(2026年9月時点)。一方、海外の定番ジンは度数の記載がある12銘柄のうち45%以上が4銘柄です。レシピ本に載っている分量は40%台前半のジンを前提にしているものが多いので、国産クラフトジンをそのまま当てはめると、想定より一段強い一杯になります。
ボタニカルから決める
ジンは植物の香りを移した酒なので、何が入っているかで、重ねると方向が揃う材料も、対比になる材料も変わります。公式にボタニカルの記載がある国産クラフト63銘柄を数えると、次のような分布でした。
| 使われている素材 | 銘柄数 | 方向が重なるカクテル | 対比になるカクテル |
|---|---|---|---|
| 柑橘の果実・皮 | 35 | ジンリッキー、ジンフィズ、ギムレット | ネグローニ |
| 山椒・生姜などの香辛料 | 22 | ジンバック | ジントニック |
| 茶葉 | 16 | ジンソーダ、ジンリッキー | ジンフィズ |
| 花・ハーブ・樹木 | 20 | マティーニ、ネグローニ | ジンライム |
ベルモットもカンパリも、もとはハーブを漬け込んだ酒です。ハーブや樹木を使う銘柄をマティーニ・ネグローニの側に置いているのはそのためで、材料の系統が同じだと組み合わせの説明がつきやすくなります。逆に柑橘を多く使う銘柄は、果汁を足すカクテルと素材の方向が重なります。どちらを選んでも間違いということはなく、同じ銘柄の別の面が出ます。使われている植物の全体像はジンの原料とボタニカルに、銘柄ごとの構成は図譜のデータ欄に同じ順で並べてあります。
作り手が勧めているカクテル|国産クラフト79銘柄の公式記載
レシピの一覧とは別に、もう一つの手がかりがあります。蒸溜所や製造元が、自社の公式サイトで「この飲み方で」と案内している内容です。この図譜では公式に記載があった飲み方を、銘柄ごとのデータ欄にそのまま載せています。国産クラフトジン79銘柄のうち、飲み方の記載があったのは29銘柄でした(2026年9月時点・1銘柄で複数挙げている場合はそれぞれ数えています)。
| 公式に挙げられていた飲み方 | 国産クラフト(29銘柄中) | 海外の定番(13銘柄中) |
|---|---|---|
| ソーダ割り・ジンソーダ | 17 | 0 |
| ジントニック | 15 | 13 |
| ロック | 11 | 0 |
| ストレート | 7 | 0 |
| マティーニ | 2 | 5 |
| ジンリッキー | 2 | 0 |
| お湯割り | 2 | 0 |
| ジンバック | 1 | 0 |
海外の定番は記載のあった13銘柄すべてがジントニックを挙げ、次に多いのがマティーニでした。国産クラフトはジンソーダとジントニックが並び、マティーニのようなショートカクテルを挙げている銘柄は少数です。この記事の早見表でいえば、作り手の案内は上の5杯、割り材で満たす側に集まっているということになります。
名前の付いたカクテルや、ほかにはない飲み方を挙げていた国産の銘柄は次のとおりです。
- マティーニ — 9148 #0101 Craft Gin standard、ohoro GIN Standard。どちらもジントニックと並べて、カクテルのベースとして挙げています
- ジンリッキー — マキノジンは「炭酸水と香酸柑橘類を使ったジンリッキー」、AWA GINはリッキーを挙げています
- ジンバック — 因伯人(Impact)。ジントニックと並べて挙げています
- お湯割り — トーキョーハチオウジン CLASSIC、GOTOGIN the origin
- そば湯割り — 9148 #0210 Fukinotou Compound Gin
- 土地の名を付けた一杯 — まさひろオキナワジンは、オキナワロック・オキナワソーダ・オキナワリッキー・オキナワサンセットという名前で飲み方を案内しています
これは「国産クラフトジンはカクテルに向かない」という意味ではありません。案内が炭酸で割る飲み方に集中している、という集計上の事実です。ただ、手元の1本で何を作るか迷ったときは、まずその銘柄の公式が挙げている飲み方で一杯作り、それを基準に早見表の別のカクテルへ広げると、作り手の想定から外れずに始められます。記載のある銘柄は、図譜の各ページのデータ欄で確かめられます。お湯割りの比率と手順はジンの割り方に、日本の素材を使うジンの見分け方はジャパニーズジンとはにまとめています。
買い足す順番|1本目のジンのあとに揃えるもの
作れるカクテルを増やす順番には、1品あたりの効き方に差があります。1つ足すごとに増える杯数で並べると次のようになります。
| 順番 | 買うもの | 増えるカクテル | 保存 |
|---|---|---|---|
| 1 | 炭酸水 | ジンソーダ、ジンリッキーの土台 | 常温。開栓後は早めに |
| 2 | ライムまたはレモン | ジンライム、ジンリッキー、ジンバック | 冷蔵。切ったら数日 |
| 3 | トニックウォーター | ジントニック | 常温。開栓後は炭酸が抜ける |
| 4 | ジンジャーエール | ジンバック | 同上 |
| 5 | ドライベルモット | マティーニ | 開栓後は冷蔵。1か月ほどで使い切る |
| 6 | カンパリ+スイートベルモット | ネグローニ | カンパリは常温可 |
ベルモットだけは扱いが違います。ワインをもとにした酒なので、開けたあとは常温に置かず冷蔵し、早めに使い切る前提で買います。マティーニのために大きい瓶を買うと持て余しやすいので、小容量のものから始めるほうが合います。
道具のほうは、シェイカーとミキシンググラスが要るのはこの一覧では3杯だけです。シェイカーは蓋の締まる容器(保存瓶など)で代用でき、ミキシンググラスは計量カップとスプーンで足ります。まず割り材だけの層から始めて、作る頻度が上がってから買っても遅くありません。どの道具をどの順で揃えるかはカクテルの道具にまとめています。
作り方の3つの型|ビルド・ステア・シェイク
レシピの手順が違って見えても、型は3つしかありません。ここを覚えると、初めてのレシピでも手順を読み違えなくなります。
左からシェイカー、ミキシンググラスとバースプーン、メジャーカップ、ストレーナー。(AIで生成したイメージです)
| 型 | やること | 使う場面 | この一覧での該当 |
|---|---|---|---|
| ビルド | グラスに直接注いで軽く混ぜる | 炭酸の割り材があるとき | トニック、ソーダ、リッキー、バック、ライム、ネグローニ |
| ステア | 氷と一緒に混ぜて、氷を漉して注ぐ | 冷やしながら少し水を加えたいとき | マティーニ |
| シェイク | 氷と一緒に振る | 果汁・砂糖など混ざりにくいものが入るとき | ギムレット、フィズ |
ビルドで混ぜすぎないのは、氷が削れて溶け、炭酸も抜けるからです。バースプーンを氷とグラスの隙間から底まで下ろし、ゆっくり一回転させて引き上げれば全体が混ざります。
ステアとシェイクは、混ぜるだけでなく冷やして水を加える工程でもあります。だから氷は多めに、材料も冷やしてから始めます。氷が少ないと、冷える前に溶けた水だけが増えます。ジンをそのまま冷やして飲む方法はジンのロックとストレートにまとめています。
なお、炭酸や果汁を使うものは作り置きに向きません。炭酸は抜け、果汁は香りが落ちるので、一杯ずつ飲むときに作ります。例外は酒だけでできているマティーニとネグローニで、あらかじめ混ぜて冷やしておく方法をそれぞれの記事(マティーニ・ネグローニ)に書いています。
よくある質問
ジンのカクテルで定番なのはどれですか?
ジントニック、ジンソーダ、ジンリッキー、ジンバック、ジンフィズ、ジンライム、ギムレット、マティーニ、ネグローニの9杯です。トム・コリンズやホワイト・レディ、ギブソンなど、ほかによく名前を見るものも、この9杯のどれかの材料を1つ入れ替えた形になっています。シンガポール・スリングやブルームーンは、リキュールやジュースを何種類も合わせる一杯です。家で最初に作るなら、グラスと氷だけで済み、割り材を1本買えば始められるジントニックかジンソーダからが確実です。
度数が低めのジンのカクテルはどれですか?
割り材やジュースで満たすものです。ジントニック、ジンソーダ、ジンリッキー、ジンバック、トム・コリンズ、シンガポール・スリングは、45%のジンで作っても完成の度数が10%前後になります。反対に、マティーニ、ギムレット、ジンライム、アラスカなど小さなグラスで出すものは30%前後かそれ以上です。ロングアイランド・アイスティーは背の高いグラスで出ますが、5種類の酒を使うので20%近くになります。さらに低くしたいときは、割り材のあるものなら割り材を増やせば下がります。
甘いジンのカクテルにはどんなものがありますか?
材料に砂糖、リキュール、ジュースが入るものです。ジンフィズとトム・コリンズは砂糖、シンガポール・スリングはチェリーリキュールとパイナップルジュース、ブルームーンはスミレのリキュール、オレンジ・ブロッサムはオレンジジュースで甘みが入ります。ジントニックもトニックウォーターに糖分が含まれます。甘みを入れたくないなら、ジンソーダ、ジンリッキー、ジンライム、マティーニの側から選びます。
シェイカーがなくてもジンのカクテルは作れますか?
最初の一覧の9杯のうち、シェイカーが要るのはギムレットとジンフィズの2つだけです。残りはグラスとスプーンで作れます。どうしても振りたいときは、蓋のしっかり締まる保存瓶で代用できます。氷と材料を入れて15秒ほど振り、茶こしで氷を漉しながら注げば同じことができます。ガラス瓶は急な温度差に弱いので、熱湯で洗った直後に氷を入れるのは避けてください。
ジンが1本あります。最初に何を買えば作れるものが増えますか?
炭酸水とライム(またはレモン)の2つです。この2つでジンソーダ、ジンリッキー、ジンライムが作れるようになり、トニックウォーターを足せばジントニックが加わります。いずれも道具は要りません。ベルモットやカンパリは、作る頻度が見えてから買うほうが余らせずに済みます。
レシピどおりに作ったのに強く感じるのはなぜですか?
使っているジンの度数が、レシピの想定より高い可能性があります。レシピの分量は40%台前半のジンを前提にしているものが多い一方、図譜に収録した国産クラフトジンは公式に度数の記載がある56銘柄のうち44銘柄が45%以上でした。45%のジンでマティーニを5対1で作ると計算上41%になり、40%のジンより5ポイントほど上がります。割り材のあるカクテルなら割り材を1割増やす、ショートならジンを30mlに下げるか、ベルモットや果汁の比率を上げると揃えられます。手持ちの銘柄の度数は図譜のデータ欄に公式サイトの記載どおり載せています。
国産のクラフトジンでもカクテルは作れますか?
作れます。手順も分量も海外のジンと同じです。違いが出やすいのは度数で、国産クラフトジンは45%以上の銘柄が多いため、ショートカクテルはジンを30mlに下げるか、ベルモットや果汁を少し増やすとレシピの想定に近づきます。作り手の公式サイトでは、国産クラフト29銘柄のうち17銘柄がソーダ割り、15銘柄がジントニックを挙げていて、マティーニを挙げていたのは2銘柄でした。迷ったら、まずその銘柄の公式が挙げている飲み方から始めるのが確実です。
どのカクテルから作れば、そのジンの個性が分かりますか?
割り材が味を持たないものから始めると、銘柄ごとの差が分かりやすくなります。ジンソーダは炭酸水だけ、ジンリッキーはそこにライムを足すだけなので、足した要素と元からある要素を切り分けられます。逆にネグローニやジンフィズは、ジン以外の材料が味の大半を占めるので、銘柄を替えても違いが出にくい組み合わせです。銘柄の選び方そのものはクラフトジンの選び方に、種類の分け方はジンの種類にまとめています。