ジンとは|ジュニパーの香りが主役の蒸溜酒、つくり方・種類・飲み方の入口

ジンとは、ジュニパーベリー(杜松の実)の香りを主役にした蒸溜酒です。土台の酒にジュニパーを中心とした植物の香りを移し、もう一度蒸溜してつくります。原料には決まりがなく、決まっているのは香りの一点だけ。度数は40〜47%が中心で、最初の一杯ならジン1に対してトニックウォーター3〜4のジントニックか、炭酸水3のジンソーダが入口になります。
ジンとは、ジュニパーベリー(杜松の実)の香りを主役にした蒸溜酒のことです。ウイスキーなら麦、ラムならサトウキビ、と原料の名前で覚えられる酒が多いなかで、ジンだけは原料では決まっておらず、決まっているのはこの香りの一点だけです。この記事では、定義と名前の由来、つくり方、他の蒸溜酒との分かれ目、ラベルに並ぶ種類、最初の一杯の飲み方までを順に見ていきます。クラフトジンという言葉の整理はクラフトジンとはにまとめています。
ジンとは|ジュニパーの香りを主にした蒸溜酒
ジンは、ジュニパーベリー(杜松の実)の香りを主にした蒸溜酒です。定義はこの一行に尽きます。色は無色透明で、甘味を加えないものが大半を占めます。
まずは要点だけを一覧にしておきます。
| 項目 | ジンの場合 |
|---|---|
| 定義 | ジュニパーベリーの香りが主である蒸溜酒 |
| 原料 | 決まりなし(穀物・糖蜜・米・焼酎など) |
| つくり方 | 土台の酒に植物の香りを移し、再蒸溜する |
| 度数 | 40〜47%が中心(EUの規則では37.5%以上) |
| 名前の由来 | ジュニパーを指すオランダ語「イェネーフェル」 |
| 代表的な飲み方 | ジントニック、ジンソーダ、ロック、カクテル |
ジュニパーはヒノキ科ビャクシン属の針葉樹で、ジンに使われるのは主にセイヨウネズ(Juniperus communis)の実です。「ベリー」と呼ばれていますが、植物としては松ぼっくりの仲間の球果にあたります。日本に自生する近縁のネズ(ネズミサシ)は漢字で杜松(としょう)と書き、当サイトの名前もここから取っています(実の性質はジンの原料とボタニカルで詳しく見ています)。その実の香りが主役であること、これがジンを名乗るための条件で、逆に言えばそれ以外はほとんど自由です。ジンの銘柄がこれほど多彩なのは、決まっているのが一点だけだからです。
お酒の分類でいえば、ジンは蒸溜酒(スピリッツ)に入り、日本ではウォッカ・ラム・テキーラと並べて4大スピリッツと呼ばれることが多い酒です。ただし日本の酒税法に「ジン」という品目はなく、国や地域によって定義の書き方も違います。その違いは、後の節「『ジン』と決めているのは誰か」で並べています。
なお「ジン」という呼び名そのものは、ジュニパーを指すオランダ語(イェネーフェル)がイギリスで短くなったもの、と伝えられています。名前からして、この酒は植物の名前でできています。
ジンはどうやってつくるか|土台の酒に香りを移す
ジンづくりは2段階です。
- 土台の酒(ベーススピリッツ)を用意する — 穀物や糖蜜などを発酵させて蒸溜した酒です。一般には、原料の風味がほとんど残らないアルコール分96%以上まで純度を上げた「ニュートラルスピリッツ」が使われます
- ボタニカルの香りを移して、もう一度蒸溜する — ジュニパーを中心とする植物(実・皮・葉・根)の香りを移し、再蒸溜します。そのあと加水して、瓶詰めの度数に整えます
ボタニカルを籠に入れ、立ちのぼる蒸気に香りを通す蒸気抽出のかたち(AIで生成したイメージです)
香りの移し方には、土台の酒にボタニカルを漬け込む浸漬と、蒸溜器の上部に吊るした籠に蒸気を通す蒸気抽出があり、多くの銘柄は両方を組み合わせます。硬い根や樹皮は浸漬、熱に弱い花や果皮や茶葉は蒸気抽出、という使い分けです。
ここで押さえておきたいのは、ワインやビールのように原料そのものが液体になるのではないということです。ジンは、植物から香りだけを取り出して、別につくった酒に移した酒です。だからジンの「原料」の話は、ほとんどがボタニカルの話になります。何がどう使われているかはジンの原料とボタニカルで詳しく見ています。
他の蒸溜酒と何が違うか|ジンだけは原料で決まっていない
同じ蒸溜酒でも、何によってその名前を名乗れるのかは酒ごとに違います。並べてみると、ジンの位置がはっきりします。
| 種類 | 主原料 | 香りづけ | 熟成 | 度数の目安 |
|---|---|---|---|---|
| ジン | 決まりなし(穀物・糖蜜・米・焼酎など) | ジュニパーを主にした植物 | 原則しない | 40〜47% |
| ウォッカ | 決まりなし(穀物・じゃがいもなど) | しない(濾過で香味を削る) | しない | 40%前後 |
| ウイスキー | 穀物(大麦・ライ麦・トウモロコシなど) | しない(樽から付く) | 木樽で熟成する | 40〜46% |
| ラム | サトウキビ(糖蜜・搾汁) | しない | 種類による | 40%前後 |
| テキーラ | アガベ(リュウゼツラン) | しない | 種類による | 38〜40%前後 |
| 焼酎(本格焼酎・泡盛) | 芋・麦・米・黒糖など | しない(原料の香りが残る) | 種類による(古酒・樽貯蔵など) | 20〜25%前後(本格焼酎は法律上45%以下) |
蒸溜酒の土台になる植物。ジンだけは、この列のどれを使ってもよい(AIで生成したイメージです)
表の左から2列目を見ると、ウイスキーは穀物、ラムはサトウキビ、テキーラはアガベと、原料が名前を決めています。ジンの欄だけが空いています。ジンを名乗る条件は原料ではなく、右隣の「香りづけ」の欄にあるからです。
このことから、よく聞かれる2つの違いはこう整理できます。
- ジンとウォッカの違い — 土台はどちらも同じニュートラルスピリッツで構いません。分かれるのは最後の工程で、ウォッカは濾過して香味を削り、ジンはボタニカルを再蒸溜して香りを足します。同じ地点から反対方向へ進んだ酒です(詳しくはジンとウォッカの違い)
- ジンと焼酎の違い — 焼酎は原料の芋や麦、米の香りをそのまま生かす酒で、蒸溜したあとに植物で香りを足すことはしません。いっぽうジンは、土台の酒にジュニパーを中心とした植物の香りを移します。そのため、焼酎や泡盛を土台にしてジュニパーで香りづけすれば、それはジンになります。日本のクラフトジンに焼酎蔵がつくる銘柄が多いのは、この関係があるからです。度数もジンは40〜47%が中心で、20〜25%前後が多い焼酎より高めです
- ジンとウイスキーの違い — どちらも香りをまとった蒸溜酒ですが、その出どころが違います。ウイスキーは木樽のなかで時間をかけて香りを得て、ジンは植物から蒸溜の一瞬で香りを得ます。ジンを原則として熟成させないのは、そのためです(詳しくはジンとウイスキーの違い)
そして、原料が自由だという性質は、後で見る日本のクラフトジンにそのまま効いてきます。型(スタイル)ごとの分かれ方はジンの種類に整理しました。
ラベルに並ぶ呼び名|ジン、ディスティルド・ジン、ロンドン・ドライ・ジン
ジンの棚では、同じ「ジン」でも呼び名がいくつか混ざっています。EUの規則は、広いものから順に3つの段階を置いています。
- ジン — いちばん広い区分。ジュニパーの香りが主であるもの
- ディスティルド・ジン(蒸溜ジン) — ボタニカルを加えて再蒸溜したもの。市販のドライ・ジンの多くがここに入ります
- ロンドン・ドライ・ジン — 条件がいちばん厳しい区分。香りは再蒸溜のときにだけ天然の植物から移し、あとから甘味や着色を加えないもの
ここでよく誤解されるのが最後のひとつで、ロンドン・ドライ・ジンはロンドンでつくる必要がありません。産地ではなく、後から手を加えないという製法の約束を指す呼び名です。だから日本の蒸溜所がロンドン・ドライ・ジンを名乗ることもできます。
このほかにも、甘味を加えた古い型のオールドトムジン、オランダの原型を受け継ぐジュネヴァ、蒸溜を経ずに香りを漬け込むコンパウンドジンなどの呼び名があります。
一方、「クラフトジン」には法律上の定義がありません。小規模な蒸溜所が独自の素材でつくるジンを指す通称で、型(スタイル)の名前ではない点が上の3つと違います。それぞれの決まりごとはジンの種類で詳しく扱っています。
「ジン」と決めているのは誰か|EU・アメリカ・日本で定義の書き方が違う
ジンの定義は「ジュニパーの香りが主」と一言で言えますが、それを法令として書いているのは国や地域ごとの規則です。主なものを並べると、言い回しは違っても、ジュニパーを軸に置く点だけは共通しています。
| 国・地域 | 根拠 | ジンと呼ぶための条件 | 最低度数 |
|---|---|---|---|
| EU | 規則 Regulation (EU) 2019/787 | 農産物由来のアルコールにジュニパー(Juniperus communis)で香りを付け、味わいがジュニパー主体であること | 37.5% |
| アメリカ | 連邦規則 27 CFR 5.144 | 主な特徴的な風味をジュニパーベリーから得ていること | 40%(80プルーフ) |
| 日本 | 酒税法 | 「ジン」という品目はない。蒸留酒類のうち、他の品目にあたらずエキス分が2度未満のものとして品目「スピリッツ」に入る | ジン固有の定めなし |
日本の扱いでひとつ知っておくと役に立つのが、エキス分という基準です。酒税法はこれを、温度15度のときに100mlの中に含まれる不揮発性成分(糖分など、蒸発せずに残るもの)のグラム数と定めています。ジンの多くは甘味を加えないのでこの値が小さく「スピリッツ」になりますが、酒類と糖類などを原料にしてエキス分が2度以上になると、品目は「リキュール」に変わります。ジュニパーの香りがあっても、甘味を加えたものはラベルの品目欄に「リキュール」と書かれることがあるのはこのためです。スロージンのように、名前にジンが付いていても型としてはリキュールにあたるものもあります(ジンの種類で扱っています)。
裏ラベルの一括表示欄にある「品目」と「アルコール分」を見れば、その1本が日本の法律のうえでどこに入るかが分かります。度数の基準の細かな違いはジンの度数に、ラベルから産地を読む方法はジャパニーズジンとはにまとめました。
名前を聞いたことのある銘柄で見る|ジュニパーは共通、重ねる素材で分かれる
定義だけでは掴みにくいので、店頭やバーでよく見かける銘柄を、公式サイトが挙げているボタニカルで並べてみます。
| 銘柄 | 産地 | 公式が挙げる主なボタニカル |
|---|---|---|
| タンカレー | イギリス | ジュニパー、コリアンダー、アンジェリカ、リコリス(甘草)の4種 |
| ビーフィーター | イギリス | ジュニパー、レモンピール、セビルオレンジピール、コリアンダーシードなど9種 |
| ボンベイ・サファイア | イギリス | ジュニパーベリー、ジャワのキューベブベリー、西アフリカのグレインズ・オブ・パラダイスなど |
| ヘンドリックス | イギリス | ジュニパー、キュウリ、バラなど13種 |
| 翠(SUI) | 大阪府 | 柚子、緑茶、生姜、ジュニパーベリー |
どの銘柄にもジュニパーが入っていて、そこに何を重ねるかが一本ごとに違います。タンカレーのように4種で組む銘柄もあれば、ヘンドリックスのようにキュウリやバラといった野菜や花を前に出す銘柄、翠のように柚子や緑茶を合わせる国産の銘柄もあります。前の節で見た「決まっているのはジュニパーの一点だけ」という定義が、そのまま棚の幅になっているわけです。
ほかの銘柄は図譜の一覧から、柚子や山椒など気になる素材から探すなら産地・ボタニカル・飲み方から探すから辿れます。
ジンの来た道|オランダの薬酒からイギリスのドライ・ジンへ
ジンの原型は、16〜17世紀のオランダで薬酒として扱われたジュネヴァ(イェネーフェル)だと伝えられています。これがイギリスに渡って「ジン」と短く呼ばれるようになり、19世紀に連続式蒸溜機が普及して雑味の少ない土台の酒が手に入ると、甘味で覆う必要のないドライ・ジンが主流になりました。2000年代の終わりごろからは、小規模な蒸溜所がボタニカルの構成で個性を出す流れが世界的に強まっています。年表や日本での歩みはジンの歴史で追っています。
日本のクラフトジンが足したもの
原料に決まりがない、という性質がいちばん分かりやすく出ているのが日本のジンです。
国産クラフトジンの多くは、焼酎蔵・日本酒蔵・ウイスキー蒸溜所が新しく始めたものです。すでに蒸溜の設備と原料を持っているので、土台の酒にそのまま自社の米や焼酎が使われます。杜松の図譜に収録した銘柄のうち、公式にベースの記載がある国産クラフト24銘柄を数えると、21銘柄が米・焼酎・泡盛など日本の蒸溜酒を土台にしていました。ニュートラルスピリッツと違って土台そのものに風味が残るため、ボタニカルと並ぶもう一つの設計要素になっています。
ボタニカルの側にも、柚子・山椒・緑茶・クロモジ・檜といった素材が入ってきます。京都府の季の美 京都ドライジンは米のスピリッツを土台にし、宮崎県のOSUZU GINは自社の焼酎を、大阪府のROKU〈六〉は日本産のボタニカル6種を軸にしています。いずれも、ジュニパーが主役であるという一点を守ったうえで、残りの自由な部分に土地のものを入れた結果です。
「ジャパニーズジン」という呼び名もよく見かけますが、ジャパニーズウイスキーのような業界の表示基準は、2026年10月時点で公表を確認できていません。どこまでを日本のジンと呼ぶかは、つくり手の判断に委ねられています。この言葉の整理はジャパニーズジンとはとクラフトジンとはに、素材そのものはジンの原料とボタニカルにまとめました。
ジンの飲み方|最初の一杯はこの4つから
ジンは40%を超える強い酒なので、多くの場合は割って飲まれます。入口として分かりやすいのは次の4つです。
| 飲み方 | 割り方の目安 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ジントニック | ジン1:トニックウォーター3〜4 | ほのかな甘味と苦味で、香りを広げたいとき |
| ジンソーダ | ジン1:炭酸水3 | 甘くない一杯を食事と合わせたいとき |
| ロック | 氷に少量を注ぐ | 銘柄ごとの香りの違いを確かめたいとき |
| カクテル | レシピによる | マティーニやジンフィズなど、形の決まった一杯を楽しみたいとき |
トニックウォーターと炭酸水の違いは糖分の有無で、同じジンでも甘さの印象が変わります。割った一杯の度数は、1対3ならジンの度数のおよそ4分の1、1対4なら5分の1が目安です(氷が溶けるぶんは含みません)。量はご自身のペースで調整してください。
公式サイトに飲み方のすすめがある銘柄は、図譜の各ページにその記載を載せています。割り材ごとの比率はジンの割り方にまとめています。
初めて1本を手に取る前に|どこで買えて、いくらくらいで、一杯はどれだけか
お酒としてジンを初めて買うときに気になるのは、味の細かな違いよりも、どこに置いてあって、いくらくらいで、どれだけ飲むものか、という手前のことだと思います。図譜の公式記載から分かる範囲で整理しておきます。
どんな系統のお酒か
ジンは甘くない、香りで飲む蒸溜酒の系統に入ります。甘味を加えないドライ・ジンが主流で、梅酒やリキュールのような甘いお酒とは別の棚に並びます。香りの軸はどの銘柄もジュニパーで、そこに柑橘、スパイス、花やハーブ、茶など何を重ねるかで方向が分かれます。一本ごとの味わいは銘柄しだいなので、杜松の図譜では実際に一献した銘柄のページにだけ味の描写を書いています。
どこで買えるか
- スーパー・コンビニ・量販店の酒売り場 — 海外の定番や大手国産のジンは、ウイスキーやウォッカと同じ「スピリッツ」の棚に並んでいることが多いです
- 酒販店 — 国産クラフトジンは、取り扱いのある酒販店で探すことになります
- 蒸溜所の直販・オンラインショップ — 小さな蒸溜所の銘柄は、つくり手のサイトや蔵の売店で買えるものが多いです
- ふるさと納税 — 蒸溜所のある自治体が返礼品にしている銘柄もあります(探し方はジンのふるさと納税)
値段の幅と瓶の大きさ
図譜に収録した国産クラフトジン79銘柄のうち、公式サイトで価格の記載を確認できたのは40銘柄です。帯ごとに数えるとこうなりました(2026年10月時点)。
| 価格帯(1本) | 銘柄数 |
|---|---|
| 3,000円まで | 15 |
| 3,000〜5,000円 | 19 |
| 5,000〜8,000円 | 6 |
| 8,000円以上 | 0 |
いちばん多いのは3,000〜5,000円の帯です。ただし瓶の大きさがそろっていないので、値段だけでは比べられません。容量の記載がある国産クラフト56銘柄では、700mlの瓶を持つものが31銘柄、500mlが20銘柄で、200ml以下の小瓶を併売している銘柄もあります。1本の値段を一杯あたりに直すと見え方が変わることはジンのコスパで、小瓶から試す方法はジンのミニボトルで扱っています。海外の定番や大手国産は公式サイトに価格の記載がないため、図譜では価格帯を持っていません。
一杯の量と度数の目安
バーやレシピでの一杯は、ジン30ml前後が基準になっていることが多いです。お酒に含まれるアルコールの量は 量(ml) × 度数(%) ÷ 100 × 0.8 で純アルコールのグラム数に直せるので、一杯ぶんはこうなります。
| ジンの度数 | ジン30mlの純アルコール量 |
|---|---|
| 40% | 9.6g |
| 45% | 10.8g |
| 47% | 約11.3g |
トニックウォーターや炭酸水で割っても、グラスに入るアルコールの量そのものは変わりません。飲みやすくなるぶん杯数が進みやすいので、何杯飲んだかを純アルコールのグラム数で数えておくと、自分の量をつかみやすくなります。度数そのものの話はジンの度数に、開けたあとの保存はジンの保存方法にまとめました。
よくある質問
ジンと焼酎は何が違いますか?
焼酎は芋・麦・米などの原料の香りを生かす酒で、蒸溜後に植物で香りを足すことはしません。ジンは土台の酒にジュニパーを中心とした植物の香りを移した酒です。焼酎や泡盛を土台にしてジュニパーで香りづけすればジンになるため、国産のクラフトジンには焼酎蔵がつくる銘柄が多くあります。度数はジンが40〜47%中心、焼酎は20〜25%前後が中心です。
ジュニパーベリーとは何ですか?
ヒノキ科ビャクシン属のセイヨウネズという針葉樹が付ける実で、ジンの香りの軸になる素材です。「ベリー」と呼ばれますが、植物としては果実ではなく、松ぼっくりの仲間の球果にあたります。日本に自生する近縁のネズ(ネズミサシ)は漢字で杜松と書き、当サイトの名前もここから取っています。詳しくはジンの原料とボタニカルにまとめています。
ジンはどんな味のお酒ですか?
銘柄ごとに差が大きいため一言では言えませんが、共通しているのはジュニパーベリー由来の香りが軸にあることです。針葉樹の樹脂を思わせる香りに、柑橘や胡椒のような要素が重なります。甘味を加えないものが大半なので、口に含んだ印象は甘い酒ではありません。残りの部分はボタニカルの構成しだいで、柑橘が前に出るもの、茶や山椒が効くものなど別の酒のように変わります。杜松の図譜では、味の描写は実際に一献した銘柄のページにだけ書いています。
ジンとウォッカの違いは何ですか?
土台になる酒は同じでも構いません。違うのは最後の工程で、ウォッカは濾過を重ねて香味を削り、ジンはジュニパーを中心としたボタニカルを加えて再蒸溜し、香りを足します。結果として、ウォッカは素材の個性を引くことで、ジンは足すことで性格が決まります。どちらも原料に決まりがない点は共通していて、日本の酒税法ではどちらも品目「スピリッツ」に分類されています。
ジンの原料は決まっていないのですか?
土台になる蒸溜酒の原料には決まりがありません。穀物、糖蜜、米、焼酎、泡盛のいずれでもジンになります。決まっているのは、ジュニパーベリーの香りが主であることだけです。ウイスキーが穀物、ラムがサトウキビ、テキーラがアガベと原料で定義されているのと、ジンはこの点が違います。国産クラフトジンに焼酎や米を土台にしたものが多いのも、この自由さによるものです。
ジンは何%くらいのお酒ですか?
市販のジンは40〜47%が中心です。杜松の図譜に収録した銘柄のうち、公式サイトで度数の記載を確認できた71本では中央値が45.0%でした。EUの規則はジンを37.5%以上と定めていますが、日本の酒税法にジン固有の下限はありません。ジントニックのように割って飲むと、比率と氷の溶け方しだいで9〜12%前後まで下がります。詳しくはジンの度数にまとめています。
ラベルの品目が「スピリッツ」と「リキュール」のジンがあるのはなぜですか?
日本の酒税法にはジンという品目がなく、エキス分(15℃で100ml中に含まれる、糖分など蒸発せずに残る成分のグラム数)で区分が分かれるためです。甘味を加えないジンはエキス分が2度未満で品目「スピリッツ」になり、酒類と糖類などを原料にしてエキス分が2度以上になると「リキュール」になります。なおEUの規則はジンをジュニパー主体の味わいで37.5%以上、アメリカの連邦規則はジュニパーベリーが主な風味で40%以上と定めていて、国によって定義の書き方が違います。
ジンの名前の由来は何ですか?
ジュニパーを指すオランダ語「イェネーフェル(jenever)」が由来と伝えられています。オランダで生まれたこの酒がイギリスに渡り、「ジュネヴァ」を経て短く「ジン」と呼ばれるようになりました。当サイトの名前の杜松(としょう)も、ジュニパーの和名から取っています。
ジンはどこで買えて、いくらくらいですか?
海外の定番や大手国産の銘柄はスーパーや量販店の「スピリッツ」の棚に、国産クラフトジンは酒販店や蒸溜所の直販、ふるさと納税などで見つかることが多いです。図譜に収録した国産クラフトジンのうち公式に価格の記載がある40銘柄では、3,000〜5,000円の帯が19銘柄でいちばん多く、3,000円までが15銘柄、5,000〜8,000円が6銘柄でした。瓶は700mlと500mlが中心で、200ml以下の小瓶を併売している銘柄もあります。
初めてジンを飲むなら、どんな飲み方がいいですか?
ジン1に対してトニックウォーター3〜4のジントニックか、炭酸水3のジンソーダが入口として分かりやすい飲み方です。ジントニックはトニックの甘味と苦味が加わり、ジンソーダは甘味がないぶん食事に合わせやすくなります。作り方はジントニックの作り方とジンソーダの割合にまとめています。